レッドブル・エアレース2017シーズンが、室屋義秀選手の活躍で大きな盛り上がりを見せている。9月中旬に開催された第7戦ラウジッツで見事優勝し、一旦は落ちかけた順位で総合2位にまで再浮上。今週末に米国インディアナポリスで開催される最終戦に期待がかかる。
室屋選手は、千葉大会で昨年に続く連勝を果たし、続くブダペストでも3位表彰台を獲得。しかし、その後の戦績は振るわず、第5戦カザンでは「ラウンド・オブ・14」で5秒ペナルティを計上してポイント圏外。続く第6戦ポルトでも機体のテクニカルな問題でフリープラクティスをキャンセル。なんとか6位でフィニッシュしたものの、前半戦の勢いは失いかけている、と誰もが思った。
それを払拭したのが9月中旬に開催されたラウジッツでの第7戦だ。室屋選手はマット・ホール選手を僅か0.395秒差で下して3勝目。この結果、室屋選手は総合2位に再浮上し、総合首位のマルティン・ソンカ選手に4ポイント差まで迫った。
室屋選手は千葉大会後のインタビューで、「今年は総合優勝も狙えるのではないか」との質問に対し、「当然狙うが、あまり気合いが入り過ぎれば失格に陥る可能性もある。ポイントを上手に配分しながら着実に稼いでいきたい」と話していたが、現成績を見ればその通りになりつつあるようだ。
現地インディアナポリスには、室屋選手の初の総合優勝に期待を寄せるメディアやファンが続々と訪れている。空港にもさっそくその機体が置かれ、今週末のレースに向けた興奮が自ずと高まってくる。決勝当日は、インディ500で優勝した佐藤琢磨選手も訪れる予定だ。
なお、レースの模様はNHK-BSで初めて生中継されることも決まった。現地と日本は13時間の時差があるため、日本での放送は16日未明の午前2時スタート。歴史的瞬間を生中継で見られる機会となりそうだ。
取材協力:レッドブル