【全日本F3】2017年チャンピオンは高星明誠…後半戦猛追の坪井翔を振り切って戴冠

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2017年全日本F3王者となった高星明誠。
  • 2017年全日本F3王者となった高星明誠。
  • B-MAX陣営は高星(総合)とDRAGON(Nクラス)のダブル王座獲得。左から本山哲エグゼクティブアドバイザー、高星、ニスモの田中利和氏、DRAGON。
  • #23 高星明誠
  • #23 高星明誠
  • シリーズ表彰を受ける高星とチームメンバーたち。
  • #1 坪井翔
  • 第19戦の表彰式。左から2位の宮田莉朋、優勝の坪井翔、3位の阪口晴南。
  • 第19戦ポールポジション発進だった#2 大津弘樹。
トッププロへの登竜門として知られる全日本F3選手権の2017年チャンピオンに、高星明誠(たかぼしみつのり)が輝いた。スーパーフォーミュラ第6戦と併催されているスポーツランドSUGOでのシリーズ第9大会、その土曜決勝(23日の第19戦)で戴冠が決定している。

今季は全9大会、計20レース(各大会2~3レース)での催行となった全日本F3。タイトル争いは高星明誠(B-MAX RACING TEAM WITH NDDP)と坪井翔(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S)のふたりによって展開され、SUGOでの第19&20戦を迎えていた。

シリーズ前半戦は高星が勝利を積み重ね、後半戦は坪井が勝ちまくる、そんな構図で進んできた2017年だが、王座に向けては高星が圧倒的優位を保って最終局面を迎えていた。坪井が逆転戴冠するためには、とにかくシリーズ後半戦の勢いのまま勝ち続け、あとは高星の結果待ちとするしかないのが実質的な状況である。

土曜午前に行なわれたSUGOの予選は乾きたてといえる路面コンディションでの戦いとなり、アクシデントによる赤旗中断があるなどした末、ベストタイムで決まる第19戦のグリッド、そしてセカンドベストタイムで決まる第20戦のグリッドとも、高星は4位、坪井は3位という結果に。ポールポジションの各1点を逃したのは、追いかける坪井にとって痛い。

そして午後の第19戦決勝は、ドラマチックな戴冠決定劇となる。1周目を終えて、坪井は2番手、高星は5番手。そのままレースは進んでいくが、中盤11周目にトップを走る大津弘樹(TODA RACING)がクラッシュしてセーフティカー導入というアクシデントが起きた。これで坪井がトップに立ち、高星は4番手。

全日本F3の決勝では1~6位に10-7-5-3-2-1点が与えられ、さらにファステストラップ記録者には1点が加算される。第19戦決勝前の段階で、坪井に対する高星のリードは19点。このレースで11点差以内に坪井が差を詰められない場合、高星の王座が決まる計算だ。このまま坪井が勝って高星が4位の場合、ファステストラップの1点が王座決定か否かのカギを握ることになる。

ラスト前の17周目、他選手が握っていたファステストラップの権利を坪井が奪った。このままレースが終わればタイトル決定は翌日の最終第20戦決勝に持ち越しとなる。ところが最終ラップ、坪井のチームメイトで2位を走っていた宮田莉朋がファステストラップをマーク、これによって高星の王座が決まるという劇的なフィナーレが待っていたのである。

4位でレースを終えた高星はピットに戻ってくるまで自身の王座獲得が決まったことが分からなかったようだが、マシンを降りてからは今季チームのエグゼクティブアドバイザーを務めてくれた日本レース界の帝王・本山哲選手らチーム関係者たちに大いに祝福されることとなった。

2017年全日本F3王者・高星明誠のコメント
「正直、まだ実感が全然ないですね。今シーズンは後半戦、坪井選手(と彼のチーム)が速くなってきたので、自分たちにとって苦しい戦いになることは分かっていました。でも、そういう時期こそ踏ん張らなければ、と思っていましたし、少なくとも確実に表彰台を獲り続けようと考えてやってきました。1年間を通じて最も多くのポイントを獲れたということですから、いいシーズンになったんだと思います」

高星は現在24歳の日産系若手ドライバー(F3での使用エンジンはVW)。NDDP=ニッサン・ドライバー・デベロップメント・プログラムのメンバーで、SUPER GTでは既に2015年にGT300クラスで優勝も経験している。昨年は欧州のハイレベルシリーズ「ブランパンGT」に参戦し、今季はGT300に再びレギュラー参戦中。全日本F3では2013年にエンジンワンメイクのNクラスでチャンピオンに輝いた実績をもち、今回、総合部門の王座を獲得した。来季以降の一層の飛躍が期待される。

一方、タイトル争いには敗れた坪井だが、このレースを勝って7連勝、9勝目をあげて年間最多勝を確定(残り1戦で高星に2勝差をつけた)。坪井は「スタート位置(3位)を考えれば、優勝できたのは良かったですし、連勝が伸ばせたことは素直に嬉しいです」と語り、逸冠決定は無念ながらも、勝利に一定の満足感をにじませているようだった。坪井はトヨタ系の若手有望株(F3での使用エンジンはトヨタ-トムス)で、やはり既にGT300では優勝経験者。高星同様に今後もさらなる活躍を演じていくことだろう。

なお、今季のNクラス王座はDRAGONが早々に獲得を決定済み。DRAGONとは高星を擁するB-MAX RACING TEAM陣営を率いる組田龍司氏であり、高星とのダブルチャンピオン獲得というかたちになった(B-MAXは今季からスーパーフォーミュラにも参戦中、ドライバーは小暮卓史)。

来季2018年はNクラスの統一エンジンが新たにVW製となるなどの話題もある全日本F3選手権。ここ最近はエントリー台数も増加傾向にあるといえ、来季以降も上を目指す若手を中心に、素晴らしい戦いが展開されることが期待されている。
《遠藤俊幸》

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