JR北海道のリゾート車両「ニセコエクスプレス」が引退 10・11月にラストラン列車を運行

鉄道 企業動向
2000年のゴールデンウィークには、臨時快速『増毛エクスプレス』として、昨年12月に廃止された留萌本線増毛駅に入線したことがあった。
  • 2000年のゴールデンウィークには、臨時快速『増毛エクスプレス』として、昨年12月に廃止された留萌本線増毛駅に入線したことがあった。
  • ラストラン列車の札幌~倶知安間で配布される乗車証明書(両面)。
  • ラストラン列車の運行日に発売される記念乗車券。上がニセコ駅発売分、下が倶知安駅発売分。

JR北海道は9月14日、リゾート車両「ニセコエクスプレス」が11月に引退することを明らかにした。

「ニセコエクスプレス」は、JR北海道としては4編成目のリゾート車両で、1988年12月に運行を開始した。

系列はキハ183系に属しており、5000番代に区分。それまでのリゾート車両のような改造車ではなく、完全な新造車だった。

前面展望可能な流線型スタイルで、JRの車両としては、閉めた状態が車体とフラットとなる「プラグドア」を側ドアに初めて採用し、冬季における気密性の向上が図られた。

それまでのリゾート車両は、車体がハイデッカータイプとなっていたが、「ニセコエクスプレス」は、曲線が多い山岳地帯を走ることを想定して、フラットなフロア構造を採用。現在は撤去されているが、AV装置を各座席に備えるなど、画期的な車両だった。

おもにニセコ方面へのスキー列車『ニセコスキーエクスプレス』に運用されたほか、日高本線の『優駿浪漫』、留萌本線の『増毛エクスプレス』といったスキー列車以外の快速、普通列車にも運用されている。

現在は白地に青のツートンカラーとなっているが、2003年には、北海道日本ハムファイターズ仕様の塗色となり、「ファイターズ号」として活躍したこともある。

JR北海道では、この引退を記念して、10月29日、11月3・4日の3日間、「ニセコエクスプレス」のラストラン列車を運行する。

時刻は、札幌7時57分~倶知安10時25分着・10時39分発~蘭越11時44分着・12時24分発~倶知安13時06分着・14時19分発~蘭越15時01分着・15時10分発~倶知安15時52分着・16時発~札幌16時42分着。

札幌~倶知安間は全車指定席の特急、倶知安~蘭越間は全車自由席の快速として運行される。札幌~倶知安間では記念乗車証明書が配布される。

このほか、「ニセコエクスプレス」引退にちなみ、ラストラン列車の運行日に、倶知安駅とニセコ駅で記念乗車券を発売する。両駅で各日1000枚ずつ発売され、1人1回5枚まで購入できる。発売額は倶知安駅が540円、ニセコ駅が260円。

「ニセコエクスプレス」の引退により、JR北海道のリゾート車両は「クリスタルエクスプレス」と「ノースレインボーエクスプレス」のみとなる。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集