都内の首都高速、上昇する二輪車死亡事故率34.6%...安全対策は充分か

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2017年の転落事故現場となった首都高速狩場線阪東橋出口
  • 2017年の転落事故現場となった首都高速狩場線阪東橋出口

東京都内の首都高速の二輪車事故で、死亡事故率が悪化していることが警視庁への取材でわかった。

統計がまとまっている直近の2012~16年の5年間と、2人乗り禁止規制が継続される直前の1999~2003年の5年間を比較すると、死亡事故総数、死傷事故件数ともに減少はしているが、死傷事故に占める死亡事故の割合「死亡事故率」は、禁止規制直前が30.1パーセントに対して、直近では34.6パーセントと上昇傾向にある。

2012~16年、東京都内の首都高速における死傷事故件数は26件、死亡事故は9件だった。全国の交通事故は急速に減少しつつあり、同じ減少傾向は首都高速にもある。しかし、死亡事故率は死亡件数を死傷件数で割ったもので、首都高速で事故が発生すると深刻な状況になりやすいことを示している。

高い死亡事故率は、首都高速に顕著なものだ。取材では都内の道路形態の違う二輪車事故についても、数字の公表を求めた。それが以下である(カッコ内は死亡事故率)。

高速自動車国道…死亡事故1件 死傷事故9件 (11.1%)
首都高速以外の自動車専用道…死亡事故0件 死傷事故0件 (0%)
一般道..…死亡事故95件 死傷事故6311件 (1.5%)
首都高速…死亡事故9件 死傷事故26件 (34.6%)

一般に高速道路は専用道のため事故が少ないと言われる。数字を見る限り、この常識は、都内の首都高速を除く自動車専用道や高速道路には当てはまっているように思える。首都高速の死亡事故率が、ライダーの身体がむきだしという二輪車の特性によるものであれば、同じような傾向を示すはずだ。

警視庁が公表した死亡事故の中には、転倒したライダーが高架橋から落下した事故が含まれている。こうした事故の防止策が真剣に考えられるだけでも、死亡事故は減ったのではないか。

《中島みなみ》

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