【SUPER GT 第4戦】GT500決勝…前年王者コバライネン&平手が大乱戦を制して今季初勝利、レクサス開幕4連勝

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優勝したのは#1 LC500のコバライネン&平手。
  • 優勝したのは#1 LC500のコバライネン&平手。
  • SUGO戦を制した#1 LC500。
  • GT500のスタートの模様。
  • GT500クラスの表彰式。
  • 決勝2位の#46 GT-R。
  • 決勝3位の#6 LC500。
  • 決勝4位の#23 GT-R。
  • 決勝5位の#8 NSX。

SUPER GT第4戦の決勝300kmレースが23日、宮城県のスポーツランドSUGOで行なわれた。レースは大乱戦の様相を呈したが、最終的にGT500クラスの戦いを制したのは前年王者コンビのヘイキ・コバライネン&平手晃平。レクサスLC500勢が開幕4連勝を決めた。

決勝日のSUGOの空は雨模様で、しかも降ったりやんだりが続く微妙なコンディション。特に決勝レース直前はその極みの状況といえ、スターティンググリッド上でも各陣営がスリックタイヤかレインタイヤか、ギリギリまで悩み続けることになった。

GT500クラスでは15台中4台がスリック選択スタートとみられた。しかし、これは結果的に失敗に終わる。そして81周の決勝レースは、セーフティカー(SC)出動が相次ぐ大乱戦の展開となっていったのである。

コース幅が狭く、それでいてチャレンジングなコーナーが多いSUGOでのSUPER GTは、1周の短さも手伝ってもともと乱戦傾向が強い。「魔物が棲む」などとも形容される由縁だが、そこに微妙な天候という要素が加わったことで、今年は収拾不可能なくらいの大乱戦となった。

レインタイヤでスタートして、ドライバー交代を含むルーティンピットインでスリックに交換、というのが常道となったレースの終盤、優勝の権利を有するマシンは2台に絞られていた。その2台とは、#1 DENSO KOBELCO SARD LC500(H.コバライネン&平手晃平/タイヤはブリヂストン=BS)と、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲&千代勝正/ミシュラン=MI)である。短いコースでSCのタイミングがピット戦略の明暗を分けたこともあり、#1 LC500と#46 GT-Rは3位以下のマシンに1分以上の差をつけてトップバトルを繰り広げる格好になった(最終的には3位以下全車が周回遅れ)。

そして#1 LC500が#46 GT-Rを引き離して勝負あったかと思われた最終盤、再び両車の差が詰まり、さらには最後の土壇場で雨が降ってくる。最終ラップ、#1 LC500の平手と#46 GT-Rの本山の熾烈なバトルは、もつれるように接触、コースオフしながらの様相に転じていく。

最後まで波乱万丈な展開の末に、#1 LC500が逃げ切って今季初優勝。#46 GT-Rは惜しくも2位に敗れ、レクサスLC500勢が4戦とも異なるマシンによる開幕4連勝を達成した。

昨年のGT500王者であるSARDチームとコバライネン&平手にとっては、王座を決めた昨季最終戦以来の勝利。F1優勝経験者でもあるコバライネンは、「今日は本当にクレージーなレースだった」と振り返りつつ、「(ハンデの状況等を総合的に考慮すると)表彰台が現実的な目標だと思っていたが、ペースも良かったし、チームが正しい判断を下してくれた」と勝因を語った。

そして平手も、「過去2戦が残念な展開だっただけに、このSUGO戦が今季のキーになると考えていました。僕も(現実的な)目標は表彰台だと思っていましたけど、優勝できて、最高のレースになりましたね。これでチャンピオン争いに戻ることができて良かったです」と喜ぶ。SUGOは平手の奥さんがかつてサーキットクイーンを務めていたコースでもあり、「僕にとってはスペシャルなコースですから」と付け加えて笑顔を見せた。

レクサス勢が上位を形成するチャンピオン争い、ディフェンディングチャンピオンのふたりはこの勝利で首位から6点差のドライバーズランキング4位に浮上(ポイントはすべて手元計算)。今後も同門での王座争いは激戦となることが予想されるが、連覇の可能性も充分に見えてきたといえよう。

決勝3位には#6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也&A.カルダレッリ/BS)が入り、ポイントリーダーとなった。4位は#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/MI)。今回のトップ4は結果的に、BS装着のレクサスとMI装着の日産が交互に分け合っている。

オープニングラップ終了時点で1-2-3-4-5だったホンダ勢は、その後の展開が味方しなかったこともあり、ポール発進の#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀&小林崇志/BS)の5位が決勝最高位。八郷隆弘社長も来場した御前試合だったが、残念な結果に終わった。ヨコハマ(YH)装着の#16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀&中嶋大祐/YH)が6位。長くレースを引っ張った#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴&伊沢拓也/BS)は不運もあって最終結果9位。

SUPER GTの次戦は2週後、8月5~6日に富士スピードウェイで開催される。BS装着のLC500はいよいよ皆が揃ってかなりの重ハンデ状態となるが、それでもレクサスの連勝が続くのか、あるいはホンダか日産が今季初勝利をあげるのか。カレンダー上の後半戦緒戦も激しい戦いとなりそうだ。

《遠藤俊幸》

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