5月29日朝、東京都の大田市場(東京都大田区)で、岡山県産のぶどう、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」の2017年“初競り”が実施され、1箱10万円という史上最高値がついた。
「マスカット・オブ・アレキサンドリア」は、岡山県が栽培面積で全国の9割以上、生産量全国1位を誇る、同県の特産物だ。初競り前には宮地俊明岡山県副知事があいさつに立ってPRセレモニーが行われ、野菜・果物のプロである大勢の市場関係者が試食に集まった。
そして7時から始まった初競りでは、なんと1箱=1房10万円という高値がついた。昨年の初競りが3万円で最高値タイだったのを3倍以上も更新した。宮地副知事は「一粒食べましたが、非常によく仕上がっている」とご満悦。
現場で測定した糖度は22.5度。去年は22度で「驚異」と言われたが、それを上回った。平均糖度は約18度で、出荷基準は16度だ。
今年はおおむね天候に恵まれたようだが、大田市場に駐在する岡山県農林水産部の山下裕副参事によると、4月に雨が降り、その後は暑かったので、実は出来を危ぶんでいたという。「4月の雨でこの出来は素晴らしい! ぶどうは農家と木が会話して育てるもの。こうすればこうなるという製品ではない。生き物なので予測は難しい」。
「高値にドキドキした。今年は房や粒のボリュームがいい。何より味がいい。一箱一箱、買われたご家庭までついていきたい。生産農家の顔を思い浮かべながら食べてください」
マスカット・オブ・アレキサンドリアは、高温・乾燥地帯のエジプトを原産国とし、日本では降水量が少なく「晴れの国」として知られる岡山県で栽培を開始され、今年で131年目だという。