震災の「前倒しデビュー」から20年…阪神電鉄5500系がリニューアル

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リニューアルされた阪神5500系の第5501編成。5月2日から営業運用に入る。
  • リニューアルされた阪神5500系の第5501編成。5月2日から営業運用に入る。
  • 外観(左上)や内装(右上)のデザインを変更したほか、ドア開閉の押しボタン(左下)や案内表示装置(右下)を追加した。
  • 5500系の第5501編成(リニューアル前)。他の編成も順次リニューアルされる。

阪神電気鉄道は4月27日、各駅停車(普通車)用の5500系電車をリニューアルすると発表した。最初のリニューアル編成は5月2日から営業運転が始まる。

5500系は1995年に登場した電車。同年1月に発生した阪神・淡路大震災の影響で一部の車両が被災したことから、導入が前倒しされた。2000年までに36両(4両編成9本)が導入されたほか、2010年にはマイナーチェンジ車の5550系電車4両(4両編成1本)が導入されている。阪神電鉄は、最初に導入した車両が製造から20年以上経過しているのに伴い、リニューアルするとしている。

発表によると、外観は普通車の「伝統」となっている青系の2色塗装を踏襲しつつ、塗分け位置やドア部分の配色を変更。利用者がリニューアルした車両であることを認識できるようにした。ドアは2016年デビューの5700系と同じ押しボタン式開閉機能を追加。蓄電池は容量を増やして停電時の機能維持時間を延ばした。

車内も5700系のデザインをベースに、摂津灘の海をイメージした青系の内装に変更。1編成中2両に設けられていた車椅子・ベビーカースペースは、4両全てに拡大した。案内表示器も追加し、今後は事故などによる運転見合わせや列車の遅れに関する運行情報も表示する予定だ。遅延情報の提供は阪神電鉄の車両としては初めてで、5700系でも表示する予定という。

阪神電鉄は本年度中に8両(4両編成2本)のリニューアルを行う方針。その後も順次リニューアルを進めるとしている。

《草町義和》

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