【首都高速 横浜北線】全長5900mの横浜北トンネルには最新の安全技術を採用

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首都高・横浜北線の約7割を占めるのが全長5900mの横浜北トンネル。
  • 首都高・横浜北線の約7割を占めるのが全長5900mの横浜北トンネル。
  • シールド工法で掘削されたトンネルは直径12.3mの円形。上部の2/3を車道として、下部の1/3を避難通路として使用する。照明は高輝度LEDとなっている。
  • トンネル内に約25m間隔で設置されている自動火災検知器。
  • 初期消火に使う泡消火栓は約50m間隔で設置。通常の消火器と、消防隊が使用する消火栓の接続口もある。
  • 泡消火栓は火災に遭遇したドライバーでも簡単に操作できるが、首都高では「避難を優先してほしい」とする。
  • 天井部に設置されたジェットファンは平時には排気ガスを、非常時には火災で生じた煙を出口方向へ送り出す機能を持つ。
  • 非常口は約250m間隔で設置されている。
  • 首都高としては初めての滑り台方式が採用された。

3月18日に開通を予定している首都高速道路・横浜北線(横浜市道高速横浜環状北線)の大部分を占めているのが、全長5900mの「横浜北トンネル」だ。市街地の地下を貫く構造となっており、最新の安全設備が数多く採用されていることも特長となっている。

この横浜北トンネルは岸谷生麦~新横浜ランプ間に位置しており、トンネル出入口付近を除いた約5500m区間をシールド工法によって掘削している。トンネルの直径は約12mで、地表面から約20m下に外回り線と内回り線で1本ずつ、あわせて2本のトンネルが通っている。掘削は2010年12月と2011年1月に新横浜側から開始。東日本大震災による電力不足の期間を挟みつつ、約3年で2本とも貫通させた。

トンネルは上側の2/3を車道として、下側の1/3を避難通路などの安全空間として使用しており、天井部に設置しているジェットファンで入口から出口に向かう風の流れをつくりだしている。事故による車両火災がトンネル内で発生した場合、出火初期段階では有毒ガスを含む煙は上部に向かって流れていくが、冷やされると徐々に降下してきて内部に充満することになる。このため、トンネル外への避難は「煙が充満する以前のタイミングで迅速に避難させるのか」が重要な課題となるが、横浜北トンネルでは道路面よりさらに下部の避難通路を使うことでこれを解決している。

トンネル内の避難口は約250mごとに設置しており、下部の通路に向かうルートは滑り台式が首都高としては初めて採用された。左右に設置されたボタンを押し込むだけで平時にそれを覆っている金属カバーが開くようになっている。ボタンを押すことで約600kgある錘のロックが外れ、その自重によって開くものなので電力を必要としていない。滑り台自体は公園などに設置されている遊具と基本的には同じものだが、大人でも使えるように幅広タイプが採用されているという。

トンネル壁面を構成するシールドセグメントは「高機能SFRCセグメント」と呼ばれる耐火性能を向上させたものが採用されている。セグメント内に樹脂(ポリプロピレン)が含まれており、火災の際にはこの樹脂が先に融解することで内部に空隙(くうげき)を形成。コンクリート中に含まれる水分をこの空隙によって逃がすことにより、壁面が剥離したり、熱によって破壊される爆裂を防ぐようになっている。火災後の修復も容易であり、修復した際にも火災前と同等の性能を発揮できる。

《石田真一》

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