先進技術実証機「X-2」、防衛装備庁が飛行試験を再開

航空 行政
雲ひとつない青空の中を飛ぶ先進技術実証機「X-2」、防衛装備庁に納入してから初めての試験飛行が実施された。
  • 雲ひとつない青空の中を飛ぶ先進技術実証機「X-2」、防衛装備庁に納入してから初めての試験飛行が実施された。
  • 状態監視のチェイス機はF-2戦闘機が担当している。
  • 試験飛行の再開に先立ち、11月中旬からはエンジン燃焼試験などが実施されていた。

防衛装備庁は11月29日、岐阜基地(岐阜県各務原市)において、先進技術実証機「X-2」の飛行試験を実施した。飛行試験自体は今回が3回目だが、今までは製造メーカーの三菱重工業が実施しており、機体が同庁に納入されて以降は今回が初となる。

X-2は、ステルス技術や国産初のアフターバーナー付きジェットエンジン、これによる高運動飛行制御などをテストする目的で開発された機体。今年4月22日に製造工場に隣接した県営名古屋空港(小牧基地)から岐阜基地へ向けた初飛行を実施し、5月18日に行った2回目の試験飛行後に防衛施設庁へ引き渡されていた。

その後は岐阜基地において機体各部センサーの較正作業(荷重較正)を実施。11月中旬に同庁が主催した技術シンポジウムでは「11月下旬から飛行試験を再開する」と発表し、これと前後した時期にエンジン燃焼試験や滑走試験を行うなど、飛行試験の再開に向けた準備を進めてきた。

11月29日に実施した飛行試験は機体受領後に同庁が初めて実施したもので、岐阜基地に所在する飛行開発実験団のパイロットが操縦を担当した。約1時間の飛行で基本的な操縦性能のチェックを行ったものとみられる。

来年度までに約200時間の飛行試験が実施される見込みで、これによって先進技術の有用性や実効性を検討することなる。

《石田真一》

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