【新聞ウォッチ】根強い”トランプ相場”---株価1万9000ドル台の最高値更新、円安加速1ドル112円台

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米大統領選、トランプ氏が勝利。 (c) Getty Images
  • 米大統領選、トランプ氏が勝利。 (c) Getty Images
  • 「フォーミラE」デモ走行(東京丸の内) 〈撮影 高木啓〉 

日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2016年11月24日付

●NY一時112円台、8か月ぶり(読売・2面)

●雪に備え急ピッチ、冬用タイヤ交換作業(読売・29面)

●VW、米でディーゼル車撤退へ(産経・11面)

●ソニー中国工場、売却反対でスト、従業員が補償要求(東京・6面)

●ビルの谷間都心疾走「フォーミラE」デモ走行(東京・25面)

●トヨタグループ、期間工1000人超正社員に、今年度長期的に技能伝承(日経・9面)

●電動車システム実演店舗を拡大、三菱自(日経・9面)

ひとくちコメント

ドナルド・トランプ氏が次期米大統領に決まってから2週間。「手のひら返し」の発言が相次ぐ中で景気の先行きへの期待感が一段と加速している。米にニューヨーク市場でダウ工業株30種平均は1万9083ドルと過去最高値を更新。為替は1ドル=112円台まで円安ドル高が進み、4月上旬以来約8カ月半ぶりの高値をつけた。

きょうの各紙も「欧米で一時112円台。8か月ぶり円安」などと報じている。米国の耐久財の受注が市場の予想を大きく上回ったため、FRB(連邦準備制度理事会)が追加の利上げに積極的になるという見方が広がり、ドルを買って円を売る流れが強まっているそうだ。

ただ、トランプ氏は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱を明言したことを受け、日本でも警戒感が広がっている。

地球をほぼ一周する形で米国、南米訪問から帰国した安倍首相だが、きょうの日経によると「強固な日米同盟と長期政権を背景に国際社会で存在感を高めてきた安倍外交にじわりと逆風が吹いてきた」と取り上げている。

「TPPでトランプ次期米大統領に翻意を促す試みは出だしでつまずき、手応えを感じていたロシアとの北方領土交渉も暗雲が垂れこめる」と指摘している。

トランプ氏のTPP離脱宣言は、日本車に高い関税をかける姿勢を示していることからも、自動車メーカーなどにも動揺がみられる。今期は1ドル=100円前後を想定レートとしている中で、円安に傾いていることは業績の回復に大きなメリット。だが、今後のトランプ政権の動向次第では対米輸出の戦略見直しにもつながりかねない不安材料も抱えている。

米国市場がドル箱のホンダや富士重工業の経営陣は、手のひら返しのトランプ氏の政策に一段と神経をとがらせざるを得ない。

《福田俊之》

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