JR東海、星空鑑賞の旅行商品発売…「幻の鉄路」が生んだ温泉とタイアップ

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阿智村の昼神温泉。幻に終わった中津川線のトンネル工事中に温泉が湧出し、温泉地として発展した。
  • 阿智村の昼神温泉。幻に終わった中津川線のトンネル工事中に温泉が湧出し、温泉地として発展した。
  • 昼神温泉に中津川線の工事の名残は見られないが、他の場所では完成した路盤などが部分的に残っている。

JR東海は11月9日、長野県阿智村とタイアップした旅行商品「日本一の星空 昼神温泉」を発売すると発表した。中央本線の特急列車とバスを利用し、阿智村で開催される冬季限定の星空鑑賞イベントに参加する。

発表によると、名古屋方面から中央本線の特急『しなの』を利用して南木曽駅まで移動。ここからバスを使って妻籠宿に立ち寄りつつ、昼神温泉に向かう。昼神温泉に到着後、星空鑑賞イベント「天空の楽園 Winter Night Tour」の会場までバスで移動する。旅行代金は名古屋発着・大人1人の場合、1万6600円から2万8800円まで。出発日は12月3日から2017年3月30日まで(年末年始など除く)となる。

昼神温泉は阿智村の昼神湯ノ瀬地区にある温泉。1971年1月、日本鉄道建設公団(現在の鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が飯田(飯田市)~中津川(岐阜県中津川市)間を結ぶ国鉄新線(中津川線)のトンネル工事を進めていた際、温泉が湧出した。

中津川線は国鉄の経営悪化を受けて工事が中止されて幻に終わったが、昼神湯ノ瀬地区は温泉地として発展した。2006年には、環境省が行っている全国星空継続観察で「星が最も輝いて見える場所」の第1位に選ばれており、阿智村は「日本一の星空が見られる温泉地」として昼神温泉をPRしている。

《草町義和》

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