ものすごい可能性を感じさせる新発想ガジェット「KKP(くるくるピッ)」

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KKP(くるくるピ)
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  • KKPは現在のところ、楽天でのみ販売されている。商品名は「スマートフォン リモート・コマンダーKKP(くるくるピ BDSR1)専用ホルダー付」だ。
  • これがKKPの本体。正直なところ、外観の仕上げはそれほど質感が高くない。しかしホイールなど機能面はしっかりしているようだ。
  • 裏面には電池ボックスがある。使用する電池はCR2032を1個。
  • 電池ボックスのフタが金属製になっているのがポイント。手前にある二つのスイッチは電源スイッチと、通常はほぼ使用することのないBLEアドバタイズボタン。
  • 本体を横から見るとかなり薄く、正面から見たときの印象よりさらにコンパクトだ。
  • 電源を入れるとLEDが点滅しBLEの接続待機状態になる。
スマホのアクセサリーほどこの世に溢れかえっているものはないが、あのデンソーからもユニークな製品が発売されているのを知っているだろうか。スマホを遠隔操作できるコントローラー「KKP」だ。当然ながら、尋常一様を絵に描いたようなほかのスマホアクセサリーとは別格、注目に値する。


KKP外観:スイッチがコンパクトにまとめられている。


一言で言えば、デンソー「KKP」はスマホを遠隔操作するリモコンだ。ホイールを備えており、くるくる回してピッとクリックする操作感から「KKP(くるくるピッ)」とネーミングされている。スマホのリモコンというと自撮り用のシャッターボタンがすぐに思い浮かぶが、KKPがそういった単純なアクセサリーでないことは、外観を見ただけでもすぐに分かる。

今回はその使用感を報告するが、その前にハードウエアの概略を了解しておこう。本機の本体は直径50ミリの円盤状で、厚みは13ミリほど。ボタン電池1個で駆動されており、その電池ブタが敢えて金属製となっている。一方、付属のホルダーは自動車のステアリングホイールに固定して使うもので、磁石が埋め込まれている。KKPを置くとカチッと磁石で固定される仕組みだ。


[左]想像以上にコンパクトで薄い。[右]電池蓋が金属製でホルダ側の磁石で接合される。

KKP本体が円形であるのには理由があり、ホルダーをステアリングのどの位置に固定しても、KKP本体を正しい向きに取り付けることができる為の配慮だ。KKPの側面には突起が設けられており、これがホルダーのへこみとかみ合うため、1度固定したKKPが不意に回転してしまうことはない。シンプルだがよく考えられた形状だ。


[左]ホルダはハンドルのどの位置にも取り付け可能。[右]左手で操作したい場合はハンドルの左側、右手で操作したい場合は右側といったように、どのような角度でも設置可能。


コンパクトなボディに機能が凝縮されている印象

KKP本体には1個のホイールと8個のボタンがあり、8個のボタンのうち4個は、外周部のリングに割り当てられた方向キーとなっている。ほかの4個はリング内の下半分に集められており、上半分はホイールがある。片手で操作する前提のユーザーインターフェースとしては、かなり欲張った仕様といえるだろう。


裏面は非常にシンプル。通常使用ではあまり見ることも無いかもしれない。

電源スイッチは裏面にあり、ほとんど電源を入れっぱなしが前提と思われるチープな作りになっている。それも当然で、電池寿命は約1年。これはスマホとの接続にBluetooth 4.0(BLE)を採用した恩恵だ。Bluetoothはもともと消費電力の少ない通信方式だが、その最新版であるBLEはさらに省力化を推し進めている。また、ペアリングにパスキーが不要など、取り扱いも簡単だ。


スマートフォン側のBLEに対応している必要があるため、スマートフォン側の仕様を確認する必要がある。

ただし、BLEは比較的に新しい方式であり、しかもそれ以前のBluetoothと互換性がない。そのため対応するスマホに制限があるので注意が必要だ。iPhoneならiOS8.3以降を搭載したiPhone5s以降、アンドロイドなら4.4以降を搭載した、ある程度新しい機種となる。XperiaでいえばZ3以降でなければならない。


●専用アプリをインストールして使用開始

前置きが長くなったので、ここからは実際の使用感を紹介していこう。使用するには、まずスマホに専用アプリの「Spin n’Click」をインストールする。スマホのBluetoothをオンにしてこのアプリを起動、KKPの電源を入れればBLEの接続が行われ、使用できる状態となる。もしかするとBluetoothはトラブルが多くて面倒といったイメージを持っている人もいるかもしれないが、それは過去の話。BLEは本当に簡単で信頼性も高い。


専用アプリSpin n’Clickでアプリを選び、起動する。操作感は非常に軽快だ。

Spin n’Clickにはランチャーのようにアプリが登録されており、KKPのホイールを回すとそのアプリ一覧がスクロール、ホイールの下のエンターボタンを押せば選択したアプリが起動する。操作感は非常に軽快で、遠隔操作にありがちな応答遅れや引っかかり感は全くない。ホイールを早く回せばスクロールも速くなり、気持ちよく操作できる。

このとき、選択したアプリの名前を読み上げてくれるのは少し煩わしい気がしないでもないが、これは運転中の操作を想定してのことだろうから一概に余計とはいえないだろう。とりあえず、もっとも使用頻度が高いであろうカーナビアプリとして、いつもナビを起動してみた。

ここで起動できるアプリについて説明しておこう。KKPで操作できるのはKKPに対応したアプリのみで、その数は現在のところ約30本。カーナビアプリでは「ゼンリンいつもナビ」や「G:O Hybrid Navi」がある。これらのタイプアプリは、スマホにインストールされていれば自動的にSpin n’Clickに登録される。また、KKP対応アプリであっても、「Spin n’Click」を介して起動しないと、KKPで操作することはできない。


●純正ナビ!の使い心地!いつもナビをステアリングのスイッチで操作できる

「ゼンリンいつもNAVI[ドライブ]-安全運転を音声でサポート-」(30日360円)を使ってみた。目的地検索はKKPの操作で設定。走り出して、とりあえずKKPのホイールを回してみる。するといつもナビの地図がズームイン/アウト。それならと方向キーを押すと、地図がスクロールする。スマホのカーナビなのに、自動車メーカー純正カーナビをステアリングスイッチで操作している感覚だ。実際に純正カーナビのナビ機能操作を通常ステアリングスイッチからは行えないので、これはKKPならではの感覚と言える。


[左]「いつもナビ」地図のスクロール、ズームインアウトを操作できる。[右]地図をスクロールさせてKKPのエンターキーを押すと、その場所を目的地設定することができる。

カーナビを使っていると、ルートの先の方を見たくて地図をスクロールすることがよくある。しかし、KKPの方向キーはタッチ操作と違い、4方向のみの移動となるため、なれも必要だが、ホイールでズームアウトさせるのが非常に軽快だと気がついた。タッチ操作では画面上の小さなボタンをタッチしなければならないのでズームイン/アウトを多用する人は少ないだろう。しかし、KKPならホイールを回すだけだ。

しばらく使っていたら、信号待ちのたびにホイールでズームアウトして先のルートを確認するようになった。それが苦にならない、というより、用がなくてもついやってしまうくらい、軽快な操作感なのだ。また、任意の施設検索はできないものの、地図をスクロールして地図の中心を目的地として設定し、ルート検索、案内させることは可能。また、自宅に帰るルート案内もKKPだけで可能だ。これだけ操作できれば十分だが、音声認識による施設検索に対応できれば尚いい。将来的なアプリのバージョンアップに期待したい所だ。

さらに、KKPの戻るボタンとホームボタンの下にある「マルチキー」を押すと、音楽の再生、音量のコントロールもできる。これも非常に便利だ。

一方、この時点でいくつか不満も感じた。まず、カーナビアプリの起動が面倒なこと。Spin n’Clickを起動してからカーナビアプリを起動するので、通常の操作より手間が増える。しかしSpin n' Clickで表示されるメニューの順番はユーザが自由に並び替えできるので、使用頻度の高いアプリをトップへ移動させておくと良いかもしれない。

それともう一つ。KKPをステアリングに取り付けたときの操作感だ。ホイールの操作は全く問題ないが、ステアリング固定位置から離れた位置(ステアリング右側にKKPを設置した場合は左側のカーソルキー等)のボタン操作を行う際にホルダーの位置がずれてしまうこともあった。もちろん、このあたりはステアリングホイールとの相性が大きいだろう。太いステアリングほど操作性はよくなるはずだ。


●ホイール操作と相性ぴったりの便利なアプリを紹介

KKPを愛車で使うなら、使いたいアプリはカーナビや渋滞情報、あるいは気象情報といったところだ。カーナビは前述のいつもナビのほかに、「G:O Hybrid Navi」(インストール時360円・6ヶ月1,600円)が使える。聞いたことがない人も多いかもしれないが、トヨタマップマスター製地図を採用し、非常に見やすく、分かりやすいカーナビアプリだ。地図データをダウンロードして通信せずに使用できたり、ドライブシーンに連動して曲を再生するドライブシンクロナイザーといったユニークな機能も備えている。KKPでの操作は、いつもナビとほぼ同様だ。


「G:O Hybrid Navi」。見やすい地図とグラフィカルなメニューが特徴。いつもナビ同様にKKPで目的地設定もできる。

渋滞情報なら「渋滞ナビ-リアルタイム渋滞情報&カーナビ」が有能。独自のクラウド渋滞情報を含む様々な渋滞情報を表示でき、表示形式は一般的な地図のほか、簡易図(高速道路のサービスエリアにある渋滞情報と同様の表示形式)、文字に切り替えることができる。課金すればカーナビとしての機能も利用可能だ。KKPでは、地図のスクロール、ズームイン/アウトができるほか、エンターキーを押すと表示形式が地図、簡易図、文字へと切り替わる。

気象情報は「雨マップ」で雨雲の様子まで確認できる。現在から6時間後までの雨雲の予想を地図に重ねて表示することができ、雨が降る場所と時間を正確に予想することが可能だ。KKPでは地図のスクロール、ズームイン/アウトに加えて、エンターキーを押すとその地点にピンを落とすことができ、同時にその地点の6時間後までの天気予報が表示される。また、マルチキーを押すことでメニュー表示(画面右下)され、雨雲レーダをアニメーションさせることも可能だ。


[左]「渋滞ナビ」高速道路、一般道路の渋滞情報を見やすく表示。[右]「雨マップ」雨雲の動きを元に、現在から6時間先までの天気を予報する。ピンポイントで正確な天気予報ができるのが特徴だ。

KKPに対応した自動車関連のアプリはほかに、オービスや取り締まり情報を表示する「オービス通知&ネズミ捕り共有!早耳ドライブ」(無料)、指定した速度になると「キンコン」と音を鳴らすジョークアプリ「DriveMate KingKong」(無料)、常時録画だけでなく衝撃の前後を録画することもできる「マルチドライブレコーダ」(app内課金)などがある。また、燃費情報共有コミュニティ「e燃費」のスマホアプリ「e燃費」(無料)もKKPに対応しており、給油後の走行距離や給油量をKKPで入力することができる。


[左]「オービス通知&ネズミ捕り共有!早耳ドライブ」オービスの位置を知らせてくれるアプリはたくさんあるが、ねずみ取り情報も共有できるなど,機能が非常に豊富名アプリだ。[右]「DriveMate KingKong」一定速度を超えると「キンコン」という音が鳴り響く。年配の人には懐かしいあの警告音を再現したアプリだ。


[左]「マルチドライブレコーダ2」スマホをドライブレコーダーに変身させるアプリ。衝撃を受けるとその前後を録画するように設定することができる。[右]「e燃費」愛車の燃費やガソリンの価格情報を共有できる定番ソフト。KKPによる文字入力もサポートする。

最後に、原稿執筆時点で大きなニュースがあった。アンドロイドのポータルアプリとして注目を集めている「Drivemode」(アンドロイドのみ・無料)がKKPに対応したのだ。447円の有料オプションを購入することで、Drivemodeの全機能をKKPで操作できる。しかも、Spin n’Clickを経由する必要がない。

DrivemodeはLINEやFacebook、カーナビアプリならGoogleマップやYahoo!カーナビなどをコントロールすることができる。つまり、KKPを使ってDrivemode上で目的地を設定し、Yahoo!カーナビを起動するといったことが可能だ。これによってKKPの可能性は飛躍的に高まったといえるだろう。


「Drivemode」。Drivemode経由でGoogleマップやヤフーカーナビといったナビアプリの目的地設定が可能


「Drivemode」。受信したメッセージを音声で読み上げ、返信することも可能。KKPで音声認識機能を起動し声で応答メッセージを入力するという操作になる。



《山田正昭》

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