【スーパーフォーミュラ 第2戦】雨でセーフティカー先導走行だけの決着に…石浦宏明が今季初勝利

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左から2位の塚越、優勝の石浦、3位の伊沢。
  • 左から2位の塚越、優勝の石浦、3位の伊沢。
  • レースはセーフティカーランのみで赤旗中断、終了に。
  • ポール発進に備える#1 石浦宏明。
  • REAL RACINGの2台がダブル表彰台を獲得(#10塚越が2位、#11伊沢が3位)。
  • 決勝はレインタイヤでの戦いになった。
  • 2番グリッドスタートの#19 オリベイラはトラブルで無得点に終わる。
  • 赤旗中断でグリッドに静止するマシンたち。
  • 左から優勝の立川祐路監督、2位の塚越、優勝の石浦、3位の伊沢。

29日、岡山国際サーキットで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第2戦の決勝レースは、雨のためにセーフティカー先導走行で実質8周したのみの決着となった。ポール発進の石浦宏明が今季初勝利を獲得している。

空模様が懸念されていた決勝日は、ほぼ予報通り、昼頃から雨が継続的に降るようになった。しかもSFの決勝レース直前に強い降りとなってしまう。安全面を考慮してセーフティカー(SC)先導での隊列走行スタートが採択され、当初予定の午後3時にレースは始まった。もちろん全車がレインタイヤでスタートしている。

SC先導走行中、順位の変動は基本的には起きないもの。しかしトラブル発生や、給油を行なうマシン等があり、順位はそれなり以上に動いた。給油の狙いは、主に中団~後方のマシンの場合はここで多少ポジションを落としても、給油をしておくことでレースが競争状態になった時にその後の戦略面で優位に立てる可能性があるからだ。

このレース最大の波乱は、6周目に2番手の#19 J-P.デ.オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)がコース上でストップしてしまったこと。陣営によれば、ステアリングからのギヤ操作に問題が生じたためのストップらしく、これには雨による影響も考えられるところだという。

レースは9周目走行中に赤旗が提示されて中断に。オリベイラ以外のマシンは9周を終えようとするホームストレート上でグリッドに停止した。そして、それから40分ほど経った午後4時05分、天候回復が見込めないためにそのままレース終了となった。

優勝はポール発進の#1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)で今季初。2列目スタートだったREAL RACING(エンジンはホンダ)の#10 塚越広大と#11 伊沢拓也が2~3位を占め、チームにとってはダブル表彰台となった。4位は#40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、5位が#16 山本尚貴(TEAM 無限)で2~5位がホンダ勢。6位には#2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)が入っている。

「2周回完了かつレース距離の75パーセント未満でのレース成立」となったため、規定により、決勝1~8位の各選手には通常の半分のポイントが与えられる。なお、SFがこういったSCランのみで決着したレースは過去にもあり、手元集計ではシリーズ名称がフォーミュラ・ニッポンだった時代の06年開幕戦、08年第7戦第2レース(ともに富士)に続く3度目のケースと見られる。

ドライバーたちによれば、レース打ち切り終了の判断は妥当な状況だった。優勝した石浦も「雨が強くなってしまって、赤旗直前はタイヤを温めようとすることさえ難しいくらいでした」と語るほど。その石浦は表彰式で、いちばん残念な思いをした観客を気遣うコメントも発するなどしており、前年王者らしい風格も漂うところであった。決勝ハーフポイントとはいえ、ドライの予選で王者がスピードを発揮した事実は今後のシリーズ展開において小さくないはず。石浦が連覇に向けて確実な一歩を踏み出した。

2~3位の塚越と伊沢はチームともども復調傾向本格化を印象づけた岡山戦の週末に、一定の充足感をにじませていた。12年には、やはり当時一緒に所属していたDANDELIONにチーム部門タイトルをもたらしたライバルコンビ。塚越は「また高いレベルで切磋琢磨していける状況に、今回はチーム(REAL RACING)としてもっていけたのかなと思います」と語っている。これを今後のレースでの躍進にもつなげたいところだ。

16番グリッド発進だった#8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)はステアリング関係の配線に関するトラブルに遭遇、複数回のピットイン(ステアリング交換)をするなどし、最終的な順位は18位だった。SF参戦2年目の開幕2戦は不本意な結果が続いてしまった可夢偉だが、次戦以降の捲土重来を願いたい。

次戦は7月16~17日の富士スピードウェイで、今季前半戦仕様エンジンでの締めくくりという位置付けのレースになる。夏場という今季未体験の環境という要素も戦いの焦点になりそうだ。

《遠藤俊幸》

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