2015年の通期決算において、40億6900万ユーロの赤字を計上したフォルクスワーゲングループ。同社が2016年の見通しを公表した。
赤字決算の最大の要因は、2015年9月に発覚した一部ディーゼル車の排ガス不正問題。この問題のリコール(回収・無償修理)などの対策費用として、162億ユーロ(約2兆円)を引き当てたことが影響した。2015年の世界新車販売は、993万1000台。前年比は2%減とマイナスに転じている。
4月28日、フォルクスワーゲングループはドイツで年次決算会見を開催。2016年の見通しを明らかにした。
2016の世界販売については、全体として前年の993万台と同じレベルに留まると見込む。これは、中国における販売増加を予想しているため。
また、2016年の売上高は、経済状況(とくに南米およびロシア)、為替レートの変動、排ガス案件を考慮して、最大で前年比マイナス5%程度になると取締役会は予測。営業利益に関して、取締役会は、2016年の営業利益率は、5.0から6.0%の間になると想定している。