一部ディーゼル車に、排ガス試験を不正にクリアする違法ソフトウェアを搭載していたフォルクスワーゲン。同社の広告が、米当局から「虚偽」として提訴された。
これは3月29日、米国連邦取引委員会(FTC)が明らかにしたもの。「ディーゼル車は環境に優しいとする虚偽の内容の広告を出したフォルクスワーゲンを提訴した」と発表している。
一部フォルクスワーゲン車のソフトウェアは、ステアリングの舵角やスロットル開度などの情報から、車両が排出ガステストを受けていることを検知。試験の時だけ、排出ガス浄化機能をフル稼働できる巧妙な仕掛けが施されたものだった。
その半面、通常の走行時の排出ガス浄化機能は、顧客が望む動力性能や燃費を実現するため、大幅に低下。米国EPA(環境保護局)によると、排出ガス中の有害物質のひとつ、NOx(窒素酸化物)は、最大で米国の排出ガス基準の40倍にも達するという。
米国連邦取引委員会のエディス・ラミレス委員長は、「欺瞞と不正行為のあったフォルクスワーゲン車を購入した顧客を補償するために、提訴した」とコメントしている。