横浜ゴムは2015年12月にオープンした北海道旭川市の冬用タイヤテストコース「北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)」をメディアに向けて初お披露目した。
同テストコースの敷地面積は東京ドームの19倍強に当る 90万6462平米。もっとも長い圧雪ハンドリング試験路の直線部分は約1kmにもなる。そのほかにもに氷盤路、登坂路、雪上/氷上旋回路、ハンドリング路などがあり、乗用車で時速100キロメート ル以上のテスト走行が可能となっている。
今回はコースを公開しただけでなく、スタッドレスタイヤを履いたクルマでの試乗もかなった。まず最初に試乗したのは氷盤試験路。ここはABSがフルで作動するほどの急ブレーキが体験できた。コース幅もコース長もたっぷりとある。今回の試乗は30km/hからのブレーキングだったが、もっと早い速度からのブレーキングも可能だろう。
次に試乗したのはショートコース。こちらは短めのハンドリング路という雰囲気で、さまざまな特性がチェックできる。ステアリングを左右に切り返すS字コーナーをはじめ、大小いくつかのコーナーを設定。コースのもっとも奥は回り込むような左コーナーで、これがなかなか難しい設定となっていた。
圧雪ハンドリング試験路の一部を使って行われた試乗では広い道幅を使ってタイヤの滑る感覚を十分に確かめることができた。この試験路はかなり広い設定で作られていて、乗用車だけでなくトラックやバスなどさまざまな車種を使ってのテストが可能だ。
また、今回はゲストドライバーとしてチームアドバンで全日本ラリーを戦う奴田原文雄選手が参加。奴田原選手のドライビングによる圧雪ハンドリング試験路の同乗試乗も叶った。クルマを自在に横へ滑らすラリードライバーの運転にはいつも感動させられる。奴田原選手は現在、北海道在住で、ラリー活動とともに横浜ゴムのタイヤ開発にも関わっている。
圧雪認定試験路と言われるコースでは、パイロンスラロームの体験ができた。圧雪認定試験路は氷盤試験路とほぼ同じような設定だが、路面が圧雪。もっともベーシックな雪道性能を試せるこのコースでのスラロームは、タイヤの基本性能をチェックするのにぴったりだと言える。
今回のお披露目会が開催された日は朝から気温の上昇が予想されたため、予定を1時間早めて始められた。早起き(午前6時半ホテル出発)はちょっと辛かったが、おかげでちょっとしたサプライズがあった。それは圧雪ハンドリング試験路全コースを走れるというもの。1kmに渡るストレートの圧雪路を100km/hオーバーで走る機会はなかなかない。また135Rの円旋回路を使ってのコーナリングも貴重な体験だった。
テストコースを新設したことにより、横浜ゴムのスタッドレスタイヤは大きな進化を遂げることだろう。今後の新製品にも期待したい。