マツダは3月23日、ニューヨークモーターショー16で初公開する『MX-5 RF(ロードスター RF)』に、デザインテーマ「魂動(こどう)」の造形の魅力を際立たせる特別塗装色「マシーングレー」を採用すると発表した。
マシーングレーは、魂動デザインを象徴するボディカラー「ソウルレッド」に続いてマツダが導入する特別塗装色。「機械の持つ精緻な美しさの追求」をテーマに、力強い陰影のコントラストと表面の緻密さを高次元で両立することで、鉄のインゴットから削り出したようなリアルな金属質感を実現した。
従来こうした質感表現は、極薄のアルミフレークを含んだ塗料を熟練職人が手作業で何度も塗り重ねて仕上げるコンセプトカーなどでのみ可能なものだった。マシーングレーでは、ソウルレッド用に開発した塗装技術「匠塗 TAKUMINURI」を進化させることで、クリア層、反射層、カラー層からなる塗膜構成での量産化に成功した。
反射層には、極薄の高輝度アルミフレークを含んだ塗料を、均一な厚みになるように精密に塗装した後、乾燥過程で劇的に体積を収縮させる手法を採用した。これにより、約2.5ミクロンにまで極薄化した塗膜の中に、職人が手塗りしたような、アルミフレークが一定間隔で平滑に並んだ状態を形成。緻密でありながら、光の当たる面全体が強く輝くリアルな金属質感を実現した。また反射層とカラー層の双方に発色の良い漆黒顔料を使用してアルミフレークの隙間から透過させることで、光の当たらない部分に鉄独特の力強い黒みを持たせ、陰影のコントラストを高めた。
マツダではマシーングレーを今春より北米から発売予定の新型『CX-9』にも採用しており、今後幅広い車種に展開する予定だ。