宇部興産は3月16日、ジメチルカーボネート(DMC)技術を供与するためのライセンス契約を中国・中塩紅四方と締結したと発表した。
中塩紅四方は安徽省合肥市に年産10万トンのDMC製造設備を建設し、2017年末に稼動予定。宇部興産がDMC技術をライセンス供与するのは、今回が初めてとなる。
また両社は、DMC製造設備に合わせて、年産1万トンの高純度DMCの製造・販売等を行う合弁会社を設立することに合意。合弁会社は中塩紅四方からDMCの一部を引き取って高純度化し、江蘇省張家港市にある宇部興産グループのリチウムイオン電池(LIB)用電解液工場に供給するとともに、中国市場の電解液メーカーへ販売する。
高純度DMCはLIBの電解液の主要溶剤の一つで、需要が大幅に拡大。電気自動車(EV)の普及を積極的に推進している中国に合弁で生産拠点を設けることで、宇部興産は重要市場に品質・コスト面で競合優位性のある高純度DMCの供給体制を構築する。