ルネサス、車載制御システムのインテリジェント化に貢献するフラッシュメモリ技術を開発

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ルネサス エレクトロニクスは2月3日、様々なプロセスに混載可能な、高書き換え耐性と書き換え時の低消費エネルギを実現する90nm 1トランジスタタイプのMONOS構造フラッシュメモリ技術を開発したと発表した。

昨今、自動車の低燃費化とともに、居住性・快適性が求められており、増加する電子制御ユニット(ECU)は、制御が複雑化するとともに、軽量化や低消費電力化、小型化が課題となっている。特にラジエータやウォーターポンプ、カーエアコン等で使用する小型モータは数が多いため、ECUの統合化や機電一体化も必要になる。

従来、これら小型モータ制御用の高電圧(HV)ドライバを制御するための車載アナログ&パワー回路には、ベースプロセス変更なしでフラッシュメモリを搭載できないため、アナログの回路性能を最適化するためのチューニングデータを格納するメモリとして、e-fuse(1回書き込み型の不揮発メモリ)を内蔵するか、EEPROMチップが外付けされていた。

今回の新技術を用いることで、プロセスの追加を抑制しつつ、車載アナログ&パワー回路にフラッシュメモリを容易に搭載することが可能になる。これにより、センサとモータを接続するための各種アナログ回路に、マイコンと新技術を用いたフラッシュメモリが混載可能となり、チップ数を大幅に削減し、小型、軽量化、低消費電力化を実現。ECUの統合化や機電一体の実現を加速し、自動車の低燃費化や、居住性・快適性の向上に貢献する。

また、今回、1億回の書き換えが可能なフラッシュメモリを内蔵したことで、フィールド上での使用環境に応じた自動キャリブレーションや高頻度のサンプリングによる状態記録が可能となり、車載制御の高精度化、低燃費化にも貢献できるようになる。

《纐纈敏也@DAYS》

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