個性派ユーザー向けに異なる3つのキャラクターを揃えた新コンセプトモデル、ダイハツ『キャスト』。先行して発売したSUV風の「アクティバ」と上質さを強調した「スタイル」と比べ、明らかなスポーツ走行を意識して開発されたのが「スポーツ」だ。その走りを『アルトターボRS』と比較した。キャスト スポーツの外観は他の2者とかなり違った印象を受ける。その根底にあるのは走りへの期待感だ。フロント部分はLEDデイライト付エアロとダークメッキを施したフロントグリルが精悍さを強調し、Cピラーやドアミラー、エアロバンパーに施した赤色のアクセントが否が応でも走りを意識させる。また、専用サスと16インチホイールを履いたタイヤなど、走りと見た目でとことんスポーティな走りを追求したと言っていいだろう。運転席に座ると品質の高さはさらに明確になる。シートはサイズ感も十分で身体をしっかり支えてくれる快適さ。ダッシュボードも外観に合わせた赤いつや消しパネルが質感の高さとスポーティさを強調する。この内装の造り込みはもはや軽自動車とは思えないほど高品質ぶり。スポーティな軽自動車となると、スズキ アルトターボRSがライバル関係になりそうだが、シンプルな造りの中にスポーティさを追求したアルトターボRSとは明らかに方向性が異なる。走りの印象もまるで違う。アルトターボRSは5速AGSを使ったダイレクト感のある走り。対するキャスト スポーツはCVTによるスムーズさの中にもターボエンジンならではの力強さを感じさせる走りとなる。特にアルトターボRSの軽量ボディは絶対的な速さで優位性があるのは明らかだ。ただ、5速AGSは変速時に息付きは伴うし、走行ノイズもかなり激しい。キャストスポーツはロードノイズも小さく、その意味で対極の位置にあるクルマなのだ。とはいえ、キャスト スポーツも街乗りでは十分な速さを発揮する。特に感動したのがパドルシフトのタイムラグが極めて少ないこと。コーナーの手前で高めの速度で侵入してもこの操作で瞬時にシフトチェンジができる。コーナリングでは高さが1600mmもあるクルマとは思えないほど安定している。つまり、快適に速く走れる軽自動車という観点で捉えれば、キャスト スポーツは間違いなく上位に位置する。他のキャストと同様、防眩式ルームミラーを装備しているし、オプション装備される「ウォームパック」も選べる。このパックでは2WD車であっても運転席側にヒートシータが備わり、同時に両サイドのドアミラーにはヒーターが、フロントウィンドウ下部にはデアイサーが装備される。さらにリア用ヒーターダクトも備わるのだ。これで2万円(2WD/税別)は絶対にお得だ。年齢が進むと速さだけを追求したクルマを選ぶには抵抗がある。また年齢相応の快適さと質の高さが欲しくなる。キャスト スポーツはまさにそんな世代に最適な一台になると言っていいだろう。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★★会田 肇 AJAJ会員1956年・茨城県生まれ。明治大学政経学部卒。大学卒業後、自動車専門誌の編集部に所属し、1986年よりフリーランスとして独立。主としてカーナビゲーションやITS分野で執筆活動を展開し、それに伴い新型車の試乗もこなす。来年には60歳代に突入する自身の体験を含め、高齢者の視点に立った車両のアドバイスを心掛けていく。
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