【G空間EXPO15】アイサンテクノロジー、高精度地図作成に活用するドローンをシステム化

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高さ約50mから効率よくレーザーによるデータ取得を実現するドローンの試作機
  • 高さ約50mから効率よくレーザーによるデータ取得を実現するドローンの試作機
  • 空撮で取得したレーザーによるデータ
  • 取得したカメラ映像と合わせ、道路ネットワークを手入力する
  • ドローンをはじめ、カメラやレーザースキャナーそれぞれにGPSを組み合わせる
  • 取得したデータはドローン内のHDDに直接保存する
  • 「G空間EXPO15」に出展したアイサンテクノロジーのブース
  • 「G空間EXPO15」

三菱電機のグループ会社でもあるアイサンテクノロジーは11月26日~28日まで日本未来科学館で開かれた「G空間EXPO15」に出展。三菱モービル マッピングシステム(MMS)を使った測量の他、ドローンによる無人測量を実現する試作機で注目を浴びた。

MMSは、車両の上部にカメラとレーザースキャナを搭載し、道路を走行するだけで道路周辺の画像を取得するほか、絶対精度10cm以内、相対精度1cmレベルの高精度な3次元点群データを収集できる。同社はこのデータを道路インフラの維持管理や公共測量といった分野だけにとどまらず、近年は自動運転に向けた高精度地図データの作成にこのシステムの利用を始めている。ただ、このシステムで測量できるのはあくまで道路上だけだ。

そこで有効となるのがドローンによる測量だ。それは車両が入れないエリア、複雑な地形や災害で通行不能となったエリアも対象となる。同社営業本部の室山晋也氏は、まだ試作段階にあるとしながらも「レーザーが届く50mぐらいの高さから測量ができるので、場所がどんな地形であっても効率よくデータ取得ができる。地図作成での活用がメインではあるが、耕作物の出来高をデータとして観察するのにも役立つ。先物取引の関係者からの問い合わせも多い」とドローンの幅広い活用に期待を寄せた。

試作のドローンには測量用のレーザースキャナーが搭載されるほか、ジンバルに装着したカメラも装着。取得したデータはドローンに搭載したHDDに直接記録され、各ユニットにはそれぞれが正しい位置情報が同期できるようGPSレシーバーも組み合わされていた。会場には試作ドローンで実際に測量したデータも用意。そこには点描データで取得した街並みが精密に再現され、そのデータを元に道路のネットワークを入力することで高精度な地図データが効率よく作成できる過程を見ることができた。

アイサンテクノロジーでは準天頂衛星を使った高精度測量にも取り組んでおり、この技術はMMSだけでなく、このドローンにも活用される。今後は高精度ドライブシミュレータ用データ作成や、安全運転支援用の地図作成等に向け、このドローンによる測量を積極的に展開していく計画だ。

《会田肇》

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