東京都北区に本社を構えるベンチャー企業、バンプレコーダーは中小企業の展示会「産業交流展2015」でユニークなスマートフォンアプリを紹介した。それは車を走らせながら道路の凹凸を計測するというものだ。
「当初、地震などでどの道路が被災したかを調べるために開発しましたが、道路の維持管理にも役立つのではないかと、2年前に会社を立ち上げ、ビジネスをスタートしました」と同社関係者は説明する。
使い方は至って簡単で、「バンプレコーダー」という無料のスマホアプリをダウンロードし、車のダッシュボードに固定するだけ。そして、アプリを起動すると、道路の凹凸がリアルタイムでグラフとなって表示されるのだ。
「これまで、このような手法は車のサスペンションによって計測結果に大きなばらつきが出ていましたが、当社のものは大きなばらつきはありません」と同社関係者。というのも、計測中に得た加速度データから、その時に使用した車のサスペンションの硬さを自動的に推定し、タイヤの中心位置での上下動を算出することで、車種や走行速度が違っても安定した結果を得る技術を開発したからだ。
そして、計測したデータを同社のWeb解析サービスにアップロードすると、約10分後には地図上にそのデータが反映され、一目で平坦な道路とそうでない道路がわかるという。しかも、これらのデータは期間や進行方向などを指定して表示したり、エリアを選んでヒストグラム、距離標グラフ、時系列グラフなどにも表示できるそうだ。
同社では自治体などを中心にこのサービスを展開していく方針で、料金は100kmで月額5万円の定額制。したがって、スマホを何台用いても、料金は変わらない。「個人的に今走っている道路の状況を知りたいだけなら、無料のアプリをダウンロードするだけで大丈夫です」と同社関係者。このサービスは2015年東京都ベンチャー技術大賞特別賞を受賞している。