多摩美とBASF、産学連携プロジェクトを発表展示…「動力のない」8作品

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多摩美とBASF、産学連携プロジェクトを発表展示
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多摩美術大学とBASFジャパンによる産学連携プロジェクトの発表展示イベントが、11月13日から15日にかけて、代官山T-SITE GARDEN(東京都渋谷区)で開催された。

今回展示されたものは多摩美術大学2年生が、「車輪のついたプロダクトで動力のないもの(Gyro-centric Design)」をテーマに、BASFの樹脂素材を活用したプロダクトデザインを一般公開したものだ。

多摩美術大学生産デザイン科学プロダクトデザインの田中秀樹教授は、このテーマについて、「動力を持たせると、設計が複雑になってしまうことから、まずはプリミティブな車輪がついたものをよく観察してほしいという思い」があったと語る。

例えば、椅子を押すとなぜキャスターが向きを変えるのか。トロリーバックであれば、径に対してどの程度の段差が乗り上げられるのかなど、「プリミティブな車輪の原理を見てほしかった」という。また、もう一つのテーマとしてBASFの樹脂を使うこともあり、「今回は動力という要素を外して、話をシンプルにした」。そのうえで、「クルマの基本はプロポーションだ。まずはそこを理解してほしかった」と思いを述べた。

このプロジェクトは、3か月で作品を完成させること。BASFに対して英語でプレゼンテーションを行うことなども条件付けされ、学生は企業からのオーダーがどういうものかを実際に経験する機会にもなっていた。

展示された作品は8作品で、シェアサイクルやショッピングカートから、子供用のペダルカーまで様々な提案が含まれたモックアップが展示された。

シェアサイクル『Molded Bicycle』を作成した多摩美術大学2年生の木下瑛彦さんは、「ショッピングカートがスタッティングされている様子と、フォークリフトが荷物を運ぶパレットのテクスチャの美しさからインスピレーションを得て、街の景観も美しくなればとシェアサイクルを提案した」という。

また、ショッピングカート『more』をデザインした山北拓史さんは、樹脂というマテリアルについて、「金属素材よりも強いマテリアルになったり、あるいは、金属にはない弾性や、軽量ということが調べていくうちにわかった。そこで、これまでずっと金属で作られていて、形がイメージとして固定されている製品をあえて樹脂で作ることによって、新しい提案ができるのではないかと考えた」とコメント。そこからショッピングカートを発案し、ラインが一周するようなデザインやカゴを前傾させることで中の見えやすさなどを提案している。

更に、「BASFのCIに対する考え方や規定なども学ぶことができ、今後のデザインをするうえで非常に勉強になった」と述べ、実際にデザイナーになった時の大きな経験につながったことを語っていた。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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