気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年11月2日付
●社説、モーターショー、日本が先導する未来のクルマ(読売・3面)
●「EV30年に500キロ走行」経産省目標、蓄電池の開発強化(読売・7面)
●来春開業の北海道新幹線、青函トンネル維持費大(毎日・3面)
●投資拡大、トヨタが手本官民対話に社長出席(産経・2面)
●主張、悲惨な交通事故、高齢運転車を社会で守れ(産経・2面)
●社説、モーターショー、自動運転も人間主役で(東京・5面)
●日中韓、関係改善へ協力、首脳会談定例化を確認(日経 ・1面)
●自転車保険、快走、自治体条例化など追い風(日経・5面)
●ホンダが10速AT、前輪駆動用、燃費6%向上(日経・9面)
ひとくちコメント
東京モーターショーが一般公開してからすでに4日目になるが、日曜日を除く16時以降の入場チケット「アフター4」が大人気という。通常の当日券は1600円だが、このアフター4なら、半額以下の700円で入場が可能だ。
10月31日の土曜日夕刻、取材帰りに正面ゲート前を通ると若いカプッルなどで長蛇の列だったのもアフター4の来場者が殺到していたためとみられる。
それはともかく、きょうの紙面では東京モーターショー関連の普通の記事は見当たらないが、読売と東京が社説で取り上げている。
このうち、読売は「日本が先導する未来のクルマ」とのタイトルで、「会場には最新技術を駆使したエコカーが並ぶ。技術革新のスピードを感じさせられる」と伝えている。また、東京は「自動運転も人間主役で」として、「ハンドルもブレーキも操作がいらない自動運転技術。いかにも未来の乗り物だが、すぐにでも実用化を待っている人がいる」と解説する。
その話題の自動運転車だが、日産自動車が電気自動車『リーフ』を改造したテスト車両に同乗試乗した。2年前もカリフォルニアのテストコースで日産の実験車両に試乗したが、今回は一般道路を試験走行。試乗コースはお台場の東京モーターショーの会場周辺の一般道路約17kmを自動運転した。ハンドルを手放していても車線変更や赤信号での停止、青信号での発進などは問題なくクリア。2年前は車線を変更してやっと追い越せた程度だったが、この間の自動運転の技術革新は隔世の感がある。
ただ、走行中、側道から合流するトラックに遭遇したが、ドライバーが窓を開けて割り込む合図をしていたにもかかわらず、実験車両はそのまま減速もしないで突進したときには冷や汗ものだった。
先日はトヨタ自動車の自動運転車両にも試乗したが、テストコースは高速道路に限られていた。今回、日産では市街地での本格的な自動運転の走行だったが、17kmのコースはすべて左折のみ。日産での自動運転技術のエキスパートの飯島徹也部長に問うと「対向車などの見極めなど交差点での右折にはまだまだ課題が多くて…」。
日進月歩の自動運転技術だが、幼稚園からやっと小学1年生に入学できたばかりのレベル。目標の2020年までに「右折」も可能になるのかどうかも興味深い。