東京モーターショー15「Smart Mobility City」のTOKYO FMブースにおいて、アマネク・テレマティクスデザインのCEOである今井武氏とCMOである庄司明弘氏によるディスカッションが開催された。
テーマはもちろん、同社が来春より開始する日本初のモビリティ向けV-Lowマルチメディア放送局「Amanekチャンネル」についてだ。
◆インターナビ生みの親、転身の理由
今井氏はホンダのテレマティクスサービス「インターナビ」を立ち上げた経緯があり、「去年は隣のホンダブースにいました」という。また庄司氏は音楽の分野を中心に活動しており、今井氏とは15年前に気分に合わせた音楽を検索するサービスを立ち上げて以来の飲み友達であるという。今回の話も、ビールを飲みながら進んだそうだ。
V-Lowマルチメディア放送のチャンネルのひとつとなる「Amanekチャンネル」は、「まったく新しい高品質なデジタルラジオ」となる。しかしそのきっかけは東日本大震災であり、通信の圏外であったために緊急警報がドライバーに伝わらなかった。そこで、通信と放送の両方で情報を発信できることに大きなメリットを感じたという。
「Amanekチャンネル」では、「安全・安心・おもしろい」情報を提供していく。特に気象情報は気象協会の中にスタジオを設置し、最新の気象情報を伝える。今いる場所は晴天でも、15分先の移動先は豪雨になっている可能性もあるためだ。一方、庄司氏は「おもしろい」の部分を担当する。たとえば渋滞を楽しい時間にするために、時速20km/hの車に対しては「バカバカしくてお得な番組を提供します」(庄司氏)という。
◆業務車両もターゲット
また、「業務車両への番組も考えているとし、災害・防災情報はもちろんだが、タクシーや長距離ドライバーがハッピーになり、テンションの上がる番組を提供していく」という。通常情報などは一般向け番組おいてもユーザーから情報を集めることでリアルタイムに確認できる。番組で気になる情報が流れたときには、カーナビの画面をタッチすれば情報がスマートフォンに送られる昨日も特徴的だ。
さらに、車のエリア情報から近くの施設情報などを提供したり、カーナビをデジタルサイネージのように使うこともできるそうだ。リアルタイムのマップ情報は南米やフィリピンでも採用されている形式のため、グローバル展開も視野に入れているとした。「全国7500万のドライバーに対し、放送、通信、GPS、ビッグデータで安全・安心・おもしろい放送を実現していく。楽しみにして欲しい」と今井氏は締めくくった。
ブースではこれらのデモを体験できるほか、11月5日には同社の今井CEO、庄司CMOによるカンファレンスが会場内で開催される予定だ。