気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年10月1日付
●トヨタ開発、交差点で危険お知らせ(読売・8面)
●VWリコール費打撃、7800億円対応策各国に提出へ(読売・9面)
●高速道無料化遠い道のり、公団民営化10年(朝日・7面)
●東芝株主なお不信感、臨時総会、社長謝罪も怒号(朝日・8面)
●インド産小型車日本にも投入へ、スズキ(朝日・8面)
●VW歴代経営陣関与か、排ガス不正EUへも批判(朝日・9面)
●ホンダブランド回復へ2本柱(朝日・9面)
●TPP閣僚会合自動車決着へ前進(毎日・6面)
●アウディも捜査へVW不正、独検察が準備(毎日・7面)
●携帯マナーきょう変更、電源オフ「混雑時」だけに、JR東など(東京・29面)
●ポスコが和解金300億円、新日鉄住金に支払い、技術流出訴訟(日経・1面)
●ニュース解剖VW縛った「世界一」(日経・9面)
●ホンダ、燃料電池車3月に、エコカー競争加速(日経・13面)
●ガソリン、2週連続下落(日経・23面)
ひとくちコメント
きょうから10月、というよりも今年もあと3か月である。過去を振り返ってばかりいては先に進まないが、10年前の10月1日といえば、道路関係の4公団が民営化になった日でもある。つまり、「道路公団民営化10年」というわけだ。
そこで、きょうの朝日と日経が民営化10年を総括した記事を掲載しているが、タイトルがほとんど同じというのが面白い。朝日は「高速道無料化遠い道のり」、日経は「高速道、遠のく無料化」である。
朝日の書出しは「高速道路のサービスエリアは改善し、膨らんでいた借金は減った。だが、民営化のメリットはなかなか各分野に広がらず、改革当初に描いていた高速道路の『無料開放』は、実現の見通しが立っていない」。
日経も「民営化前に約37兆円に及んだ有利子債務の返済は着実に進んでいるが、老朽化で大規模更新が必要になり、高速道路の無料化は大幅に遠のいた」としている。
朝日によれば「本来なら、料金設定を工夫しながら売り上げや利益を増やそうとするのが民間企業の経営なのだが、高速道路会社には利益部分はすべて借金返済に充てなければならないルールがある。料金収入が増えても、自由に使えるもうけは増えないので、さらなる工夫が生まれにくいのだ」そうだ。
そんな中、東京は「ネクスコ東日本」の全面広告を掲載。創立10周年に当たり,廣瀬博社長の対談が載っている。「ベスト・ウエイを追求し続けて10年。新たな決意」を語っているが、廣瀬氏は住友化学工業の元社長でネクスコ東日本の社長に就任したのは3年前のこと。
その廣瀬社長が10年を振り返るには無理もあるが、経営理念は「安全をすべてに優先させる」という。そして、これからの高速道路には「愉しさ」と「美しさ」も必要と語っている。
広告対談だけに「無料開放」という話題を避けたいこともわかるが、自動車ユーザーが知りたいのは当時の小泉純一郎政権が民営化で描いた「有利子負債を50年までに返済し無料開放する」という改革路線の進捗状況だろう。