東レは、米国子会社東レ・コンポジッツ(アメリカ)が米国のベルヘリコプターと、炭素繊維「トレカ」プリプレグを、10年以上の長期供給契約を締結したと発表した。
今回の供給契約に基づき、現在ベルヘリコプターが開発を進める民生用中型ヘリコプター「ベル525リレントレス」(18人乗り)の胴体や、フレームなどの構造材料に向けて、トレカのプリプレグを供給する。東レのプリプレグ材料が民生用ヘリコプターの胴体部分に採用されるのは今回が初めて。
ベルヘリコプターは、1935年に米国で設立されたヘリコプターの製造・販売会社。世界で初めて民生用ヘリコプターの認定を取得して販売を開始するなど、民生用ヘリコプター分野で豊富な実績と高い市場シェアを持つ米国最大手ヘリコプターメーカー。
東レは、今回の「ベル525リレントレス」からベルヘリコプターとの取り組みをスタートするとともに、複数のプログラムでも採用に向けた検討を進めている。ヘリコプターはこれまで、回転翼に炭素繊維複合材料が適用されてきたものの、胴体やフレーム構造などにも適用が進み、一部では構造重量の約80%まで複合材料化した機体の運用も始まっている。
東レは、従来の航空機用途に加え、今後の需要拡大が期待されるヘリコプター用途でも炭素繊維複合材料の適用拡大を目指す。