ボッシュ株式会社が7月30日に開催した記者向け「ボッシュ二輪事業説明会」では、「ABSユニットの製品世代と製品重量の変遷」について説明がおこなわれた。
ボッシュは1980年代末から、四輪乗用車向けに設計されていたシステムをもとに、バイク用ABSの開発に着手。1994年に最初のシステムを生産し、日本の警察向けスズキ車に装備した。
その後、1997年にECU一体型を開発。2009年には『Generation 9』と同社が呼ぶ革新的なユニットを発表している。
これは、四輪車の技術から派生したものではなく、モーターサイクル専用に開発された最初のソリューションだった。
サイズと重量は前世代の半分ながらも高い性能を備え、想定を大きく上回る需要が生まれた。同社では2009年以降の生産量は毎年平均50%以上増加し、2013年までに累計100万台を超えるモーターサイクル用ABSを製造・販売している。
ABSユニットの最終組み立ては同社の栃木工場にておこなわれ、国内はもちろん世界中のバイクメーカーに出荷される。欧州で製造されるオートバイの4台に1台がABSを搭載しており、同社によれば「ABSを装備することで、事故による死亡や負傷につながるケースは事故全体の4分の1を防ぐことができる」という。
日本では排気量50cc以下の原付バイクなど一部を除き、ほぼすべての公道走行可能な車両を対象に、ABSの装着を義務化することが決まっている。
義務化は新車では2018年から、継続モデルでも2021年から。今後の技術進化にも、ますます期待したい。