【BASFカラートレンド15】「あるがままに」から導き出された3つの世界共通テーマ

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総合テーマは『RAW(あるがままに)』。説明するのは松原千春チーフデザイナー
  • 総合テーマは『RAW(あるがままに)』。説明するのは松原千春チーフデザイナー
  • 世界共通テーマ『BASICALLY...(感覚に従う)』
  • 世界共通テーマ『BASICALLY...(感覚に従う)』
  • 世界共通テーマ『JUST TIED?(技術と生命の融合)』
  • 世界共通テーマ『JUST TIED?(技術と生命の融合)』
  • 世界共通テーマ『NEVER STOP(過剰なものへの反動)』
  • 世界共通テーマ『NEVER STOP(過剰なものへの反動)』
  • 3つの共通テーマの全色。全体的には落ち着きのある色調が多い

自動車用塗料を手がけるBASFは8月7日、2015-16年カラートレンド予測を発表した。これは世界各地域における2~3年先の、自動車ボディカラーのトレンドを予測したものだ。

今回のトレンド予測の総合テーマは『RAW(あるがままに)』。これは「完璧なものや過度に表現されたものよりも、素のままの飾らないもの」や「自分自身の感覚」をより追求する価値を表現したものだという。

同社はアジア太平洋、欧州、北米という3地域でデザイン開発をおこなっているが、この総合的なワードに従った世界共通テーマとして『BASICALLY...(感覚に従う)』、『JUST TIED?(技術と生命の融合)』、『NEVER STOP(過剰なものへの反動)』という3つを設定した。

共通テーマは英語で決定されているが、日本語では直訳ではなく、意図やニュアンスを勘案した意訳が与えられている。それぞれについて、アジア太平洋地域のカラーデザインを担当する 松原千春チーフデザイナーが説明した。

『BASICALLY...(感覚に従う)』では、落ち着いた色調で繊細なエフェクトを見せるものが中心。これは人間の感覚の微妙な変化や、繊細な感覚を象徴したものだという。また「基本に立ち戻る」ということから、色彩もベーシックなものへ回帰。深いネイビーや青みがかったホワイトまで 、幅広いブルー系の色彩が並ぶ。

「背景には、人間として基本的なところに立ち戻り、本当にクオリティの高いライフスタイルとはなんなのか?と問いかけるニュアンスを含みます。人間本来の感覚を活用して豊かな生活を送りたい、本来の自分自身を取り戻して生活の質を高めたいという意識です」

そのいっぽう、アジア太平洋地域からは鮮やかなレッドやイエローも提案されているが、こちらは本能的で単純な「楽しさ」を表現したものだという。「アジア諸国をはじめとした新興国は経済成長の恩恵で、いろいろなモノを選ぶ楽しさ、自己表現する楽しさを体感している。そうした陽気なムードを表現するもの」とのこと。

『JUST TIED?(技術と生命の融合)』は、テクノロジーをメインに表現したトレンド。テクノロジーはいっそう生活に欠かせない、身近なものとなってゆく。そうした時代では、先端技術を表現する色彩としてはシルバーやガンメタリックだけではなくなり、豊かな色彩を見せるようになると予測。その例としてオリーブグリーンやブラウン系の色彩を予測している。

「最近の技術トレンドとして、自然界にあるものの動きや働きを模倣したような技術、自然の仕組みを取り入れたものがある。これを反映した自然な、しかし人工的なものが技術的先進性を示すものとして重要となると考えています」

そして『NEVER STOP(過剰なものへの反動)』では、こってりとした色合いと、シンプルで知性を感じるような色彩が混在。これは世の中の動きが現在よりもいっそう過剰になること、そしてそれにたいする反動も大きくなるという予測に基づくものだ。

「デジタルツールの浸透によるコミュニケーションの飽和。ムーブメントのあっという間の拡散と浸透、そして終焉。そういった環境に、ときに振り回されてしまうこともある。そこで少しリラックスして自分に戻る、といったテーマによる色彩を置いています」とのこと。

3つの世界共通テーマに基づいて提案される色彩はいずれも、デジタルテクノロジーやバイオテクノロジーなど科学技術のいっそうの進歩が、個人のライフスタイルにどのような影響を与えるかを勘案したものだ。

コミュニケーションツールが進化して他者との関わり方が変化すればするほど、自分自身を見つめ直して自然体の「あるがまま」の必要性が高まってゆく、ということなのだろう。

《古庄 速人》

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