トヨタ自動車の車両や歴史、技術などを展示しているトヨタ会館(豊田市)と、工場見学を受け入れる元町工場および高岡工場(同)が海外からの多くの来訪者も含め、夏休みの賑わいを見せている。
折しも今年は、トヨタが1960(昭和35)年に一般向けの工場見学を始めて55年目の節目であり、運営する社会貢献推進部のスタッフも、イベントを充実させるなど来訪者の「夏の思い出づくり」を支援している。
トヨタは1960年に新設した本社の本館(現在は旧本館)に隣接して「トヨタホール」を新設、工場見学の受け入れや製品などの展示・紹介を始めた。その後、展示関係は創立40周年記念として77年に建設されたトヨタ会館に引き継がれてきた。60年から今年8月6日までの工場見学とトヨタ会館来訪者の累計は約1570万人にのぼっている。
工場見学および会館来訪者は「東日本大震災の2011年に工場が操業停止となったこともあって激減したが、その後は海外のお客様の増加もあって年々増えている」(社会貢献推進部・トヨタ会館担当課長の鈴木秀一氏)という。年間のピークは秋だが、夏休みの8月は小学5年生が社会科授業の一環として工場や会館をセットで見学することもあり、2014年は2万人強を迎えた。今年はそれを上回るペースとなっている。
会館では昨年末から市販が始まった燃料電池車『MIRAI(ミライ)』や社史紹介などの常設コーナーに加え、パーソナルモビリティ『ウィングレット』の体験試乗といった夏休み特別イベントに人気が集まっていた。