【アウディ S1 試乗】格別の俊足スポーツカー…島崎七生人

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アウディ S1
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ベースの『A1』の軽やかな走りもなかなかのもの。けれど『S1』は、派生車というよりも、スペックも走りもまったく違う“格別の俊足スポーツカー”に仕上げられている。

その走りの要因がエンジンと駆動方式と足の違いなのはいわずもがな、だ。搭載するエンジンは2リットルターボで231ps/37.8kgmの性能。そのあり余りそうな動力性能を受け止めるのがフルタイム4WDのクワトロで、さらにリヤサスペンションは専用の4リンク(『A1』はトーションビーム)。以上の専用スペックが、このクルマの走りを格別の活きのよさに仕立てている。

とはいえ決して手に余るようなジャジャ馬ではなく、あくまでドライバーの意志どおりの反応を示す。コックン! と各ポジションに吸い込まれていくシフトタッチはアウディ(VW)系MT車独特のもので、クラッチや、A1より明らかに手応えがあるステアリングともども、運転のリズムが実に作りやすい。エンジンの伸びのよさ(と低く太い排気音)、路面を捉えて離さない4輪の接地感も気持ちいい。同門ともいえるVW『ポロ GTI』がエッジを効かせた走りなのに対し、より高性能でありながら、むしろ落ち着いてさえ感じる走りは、アウディらしく、クワトロならでは…なのだろう。

225/35R18 87Yサイズのブリヂストン「ポテンザS001」を履く足回りは、想像以上の乗り心地のよさ。3ドアのコンパクトなボディの剛性感も高い。スポーティなインテリアの雰囲気と相まって、いつのまにか運転に熱中している…そんなクルマだった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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