東京商工リサーチによると、リチウム電池用正極材メーカーのM&Tオリビンが、7月13日に千葉地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は約40億円。
M&Tオリビンは、造船大手の三井造船と戸田工業の共同出資により設立されたリチウム電池用正極材メーカー。安全性や長い寿命を特徴とする結晶構造の正極材として注目されていたリチウムイオン電池正極材用のリン酸リチウムを取り扱っていた。プラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)などのニーズ拡大により大きな成長性を期待し、2013年には市原工場を開設して事業拡大の基盤を整えた。
しかし、海外メーカーとの競合による値崩れが進み、販路開拓も困難なことから、経営資源を有効活用するためリチウムイオン電池正極材の製造事業から撤退。2015年5月20日開催の株主総会の議決により解散していた。