スタートから1コーナーにかけてのポジション争いは波乱満載だった。大きくポジションを上げた者もいれば、逆に著しく後退したり、あるいはレースを終えることになった者もいるといった具合で、ポジションを上げた側の代表格は、8番グリッド発進から1周終了時2番手となった中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)、そして6番グリッドから3番手の小林可夢偉(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)である。
一方、残念ながらポジションを下げた側は、ポール発進のアンドレア・カルダレッリ(#20 LENOVO TEAM IMPUL/トヨタ)、予選3~5位の中嶋大祐(#64 NAKAJIMA RACING/ホンダ)、中山雄一(#18 KCMG/トヨタ)、ナレイン・カーティケヤン(#41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)といった面々だった。1コーナー付近では連鎖的な接触アクシデントも発生、そこでリタイアとなったカーティケヤン車を撤去するためにセーフティカー(SC)が入る。また、マシンやタイヤを損傷したカルダレッリ、大祐が緊急ピットインを強いられた(ポール発進のカルダレッリ、決勝最終結果は9位)。
混乱を尻目に、2番グリッドからの好スタートで首位に立ったのがオリベイラ(#19 LENOVO TEAM IMPUL/トヨタ)である。オリベイラはレースが再開された6周目以降、2位の一貴を着実に引き離していった。ピット時期のタイミングで他車が首位を走行した場面こそあったが、オリベイラの実質的な先頭はレース全編を通じて揺るぐことがなかった。
5位はアンドレ・ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S)で、6位が平川亮(#7 KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、7位にジェームス・ロシター(#3 KONDO RACING)というかたちで、トヨタエンジン勢が7位までを独占。ホンダ勢最上位は8位で1ポイントを獲得した野尻智紀(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だった。なお、序盤3番手の可夢偉はピットインして以降ペースが上がらなくなって苦戦、最終的には10位だった。