ブリヂストンは6月2日、栃木県那須塩原市のテストコースで、「ハイドロプレーニング現象」を公開。溝1.6mmほどの磨耗タイヤを装着したクルマが、水深10mmほどあるカーブ路面に時速70kmで進入し、ハンドル制御不能となる瞬間を体感した。
テスト車は、日産『セレナ』の2台。白色のセレナには新品タイヤ、銀色のセレナには「車検不合格レベル」の溝1.6mmほどまで磨耗したタイヤを装着。水深10mmほどの濡れた左カーブ路面に時速70kmで進入したさいの、ハンドル制御を比較した。
ほとんど溝がない状態の磨耗タイヤを装着した銀色のセレナは、左カーブの路面からはずれ、ほぼ直線的にクルマがすすんでいく。「ハンドルは左に切っているにもかかわらず、クルマはまっすぐ突っ込んでいく。つまり前輪が滑っている。クルマが水の上に浮いているハイドロプレーニング現象が起きていて、ハンドル制御ができない状態。一般的な道路では、壁やガードレールに激突していると思われる」と同社担当者はいう。
「この左カーブで滑る場合、右前輪、左前輪、右後輪、左後輪の順に滑空していて、わずかに左後輪が接地している状態。新品タイヤを履いた白いクルマも、若干だが滑っている」(担当者)。
複数回行なわれた実験のうち、その1回を動画で撮影。銀色のセレナ(車検不合格レベルの磨耗タイヤ装着)が、ハンドル制御不能となり、左カーブをほぼまっすぐに滑っていく姿が映っている。