ルネサスエレクトロニクスが発表した2015年3月期連結決算は、当期純利益が823億6500万円となった。ルネサスが設立されてから最終黒字となったのは初めて。前年同期は52億9100万円の赤字だった。
最終黒字化したのは、構造改革の実行で事業の利益率が改善したのに加え、事業譲渡による特別利益を計上したため。
売上高は前年同期比5.0%減の7910億7400万円と減収だった。自動車や産業機器向け半導体が堅調に推移したのに加え、為替レートが改善したものの、グループが推進している事業の選択と集中で、中小型パネル向け表示ドライバICなどの携帯端末向けや民生用電子機器向けなどの半導体売上高が減少したため。
自動車向け半導体の売上げは同6.4%増の3231億円と好調だった。
収益では、事業の選択と集中などにより携帯端末、民生用電子機器向けなどの半導体売上高が減少したものの、注力分野である自動車、産業機器向け半導体が堅調に推移したことや為替レートの改善、構造改革施策の実行により売上総利益率などの収益構造が改善した。この結果、営業利益は同54.4%増の1044億2700万円、経常利益が同79.7%増の1053億3500万円と大幅増益となった。