【SUPER GT 第2戦】GT500決勝、日産勢1-2…ニスモ組GT-Rがポール・トゥ・ウイン

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優勝の#1 GT-R(左後方に2位の#12 GT-R)。
  • 優勝の#1 GT-R(左後方に2位の#12 GT-R)。
  • チェッカーを受ける#1 GT-R。
  • GT500クラスの表彰式。
  • 優勝した松田とクインタレッリ。
  • 決勝は、フロントロー発進の2台のGT-Rによる優勝争いとなった。
  • 白バイ&パトカー先導によるパレードラップ。
  • スタートで2台のGT-Rが1-2をキープ。
  • 決勝2位となる#12 GT-R。

SUPER GT第2戦「FUJI GT 500km RACE」は3日、決勝日を迎えた。日産GT-R同士のマッチレースとなったGT500クラスは、ニスモ組の松田次生&ロニー・クインタレッリがポール・トゥ・ウインで制している。

例年、おそらくはF1日本GP以外で最も多くの観衆を集めている4輪レースイベントが、この“ゴールデンウイーク開催のSUPER GT富士戦”である。予選日同様の好天に恵まれた富士スピードウェイ(静岡県)には5万8000人の観衆が来場し、500km、110周という長丁場の戦いに熱視線を注いだ。

通常の300km戦では1回のピットストップが基本となるSUPER GTだが、500km戦の今回は「ドライバー交代を含むピットストップを2回以上」という規則があるため、戦略性もより高まる構図での決勝レース。スタートが切られたのは午後2時22分、開始約40分前のコンディションは気温25度、路温39度(路面ドライ)だったが、約3時間のレース中には路温が下がっていくことになるため、2度のピットインの際にどういうタイヤを選択するかも戦略上のキーポイントだ。

GT500クラスの優勝争いは、最前列発進の2台のGT-Rによって繰り広げられた。逃げるのはポールの#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&クインタレッリ)、そして追うのは予選2位の#12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ.オリベイラ)である。同じGT-Rながら、#1がミシュラン(MI)、#12がブリヂストン(BS)と、このシリーズの特徴でもあるタイヤ戦争の縮図を体現した首位攻防は、#1 GT-Rの背後に#12 GT-Rが食らいつき、接戦状態が延々と続いていくかに思われる展開となった。

しかし、2度目のピットストップを前にした頃から差が開き始め、最後の第3スティントでは#12 GT-Rが完全に振り切られてしまう。最終的なタイム差は約11秒。レースの3分の2くらいまでは大接戦だったものの、終わってみれば#1 GT-Rが完勝といえる内容でポール・トゥ・ウイン、今季初優勝を飾った。

敗れた#12 GT-Rのオリベイラは、「我々はずっと同じ(コンパウンドの)タイヤを使った。でも(勝った)#1は最後に違うタイヤを使ったのかもしれない」とゴール後に語っている。#1 GT-Rの松田は「第1~3スティントとも同じコンパウンドです」と優勝会見で答えたが、いずれにしてもレース後半の路面状態へのタイヤのマッチング、そこが今日の勝敗の分かれ目だった。「第3スティントに入って2~3周で、『今日は2位で仕方ない』と考えざるを得なかった」と振り返るオリベイラ(第1&第3スティント担当)の言葉が象徴的。

MI対BSの高次元タイヤ対決、今日はMIの勝利であった。もちろん、第2スティント終盤にライバルを引き離した松田、そして最終第3スティントの立ち上がりで「まだタイヤが温まっていない状態でフルにプッシュ(スパート)した」というクインタレッリ、前年王者コンビの走りがマシンとタイヤの性能に相まってこその勝利でもあった。

「僕たちドライバーも、そしてチームも、皆がミスしなかった」ことを松田は勝因に挙げる。GT500での個人通算15勝目となった彼は、「これで本山選手に並びましたし、立川選手にもあとひとつ」と、タイトル連覇と同時に通算最多勝記録トップにも意欲を燃やす。今季開幕前の時点で立川祐路(#38 RC F)が16勝で単独最多、本山哲(#46 GT-R)が15勝で続き、松田は14勝で3番手だった。開幕戦では3人とも勝っていないので、現時点でGT500最多勝争いは立川16、本山&松田15という接近状況になっている。

一方で僚友クインタレッリには、やはり立川や本山らを超えて個人単独最多となる4度目のタイトルがかかるシーズンだ。松田は「今年は3回勝てば僕が単独最多勝になる可能性があるし、タイトルを連覇できればロニーは単独最多王座獲得になるということで、『それらを目標にしよう』と言って開幕戦に臨みました。ところがその開幕戦がああいう結果(ノーポイント)だったんですけど、この勝利で流れが変わると思います」と話す。クインタレッリも「ツギオが言ったように、今年はお互いのいい目標のために精一杯頑張りたいですね」と(流暢な日本語で)語っている。王者コンビが連覇&個人記録単独首位に向けて、力強く一歩を踏み出した。

3位はレクサス勢最上位の#36 PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔&J.ロシター/BS)。4位にはホンダ勢トップの#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大&武藤英紀/BS)が続いた。5~7位はレクサス勢で、5位は2戦連続同順位となった#39 DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平&H.コバライネン/BS)。6位には開幕ウイナーで今回トップハンデを背負った#37 KeePer TOM’S RC F(A.カルダレッリ&平川亮/BS)が入っており、これは上々の結果だろう。7位は#19 WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一&関口雄飛/ヨコハマ=YH)。

GT-R圧勝受けての次戦(第3戦)は、6月20~21日の日程で開催されるタイ大会。国内で次にSUPER GTの実戦が見られるのは8月8~9日と約3カ月先で、その第4戦も富士スピードウェイでの“連続開催”となる(第4戦の決勝レース距離は300kmの予定)。

《遠藤俊幸》

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