【スーパーフォーミュラ】鈴鹿テスト2日目…ロッテラーが1番時計、可夢偉は7位

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総合のトップタイムは#2 ロッテラーがマーク。
  • 総合のトップタイムは#2 ロッテラーがマーク。
  • ロッテラーは貫禄の1番時計だった。
  • #16 山本尚貴が2番手タイム。
  • 午後のセッション、#8 小林可夢偉が一時トップに立つ場面も。
  • #41 カーティケヤンも一時は午後のトップに。
  • 2日目の最初のセッションのトップタイムは#38 石浦だった。
  • 2回目のセッションは、走行時間を通じてドライコンディションに。
  • ピットストップの練習を行なう陣営もあった。

全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)の鈴鹿公式テスト2日目(10日)、この日のトップタイムをマークしたのは2011年王者のアンドレ・ロッテラーだった。小林可夢偉は7位、順位以上の手応えを得たようである。

8日のファン感謝デーでのテスト走行を含め、3日間に渡り実施された今季最初のSF公式合同テスト。最終日となった10日の鈴鹿の空は、ひとことで言えば「おかしな天気」。基本的には晴れているのだが、時々曇ったり、雨や雪のようなものが降ることも、といった具合である。風はほぼ一貫して強く、体感的には昨日までよりも寒い。そんな状況下での走行に、WEC関連の都合で中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が欠場した以外は前日同様の18名が臨んだ。

10時30分~12時30分の1回目の走行セッション、開始時の路面はウエット。次第にドライ化していくなか、開始45分後あたりからドライ相当と考えていい1分40秒前後のラップタイムが出てくる。路面温度は最終的に16度まで上がっており、前日の同時間帯をわずかに上まわった。このセッションでは12台が1分38秒台をマークし、トップは石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)の1分38秒117。

15~17時の2回目のセッションに関しては晴れ/ドライで推移。セッション途中には小林可夢偉(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)が中古タイヤでマークした1分38秒150がしばらくタイムモニターの最上段に位置する局面もあった。やがてこれをナレイン・カーティケヤン(#41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)が更新し、さらにはロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)がニュータイヤで1分37秒157をマークし、貫禄のトップ奪取。

そしてセッション終了まで10分を切った頃から、多くのマシンがニュータイヤでのラストアタックに入った。しかし残念ながら、ここからが勝負、というところでコースアウト~ストップしたマシンがあったために赤旗でセッション中断、そのまま終了という消化不良のエンディングで鈴鹿公式テストは幕を閉じることになってしまう。

ロッテラーの1分37秒157がこの日のトップタイムで、今回のテストを通じての総合の1番時計に。ロッテラーは「いいテストだったと思うよ。マシンのベースセットアップに関しての小さな改善の方向性を探るトライをしたりもできたしね。最後のアタックが中断されて終わったのは残念だったけど、1分37秒157は残り40分くらいの段階のタイムとしては、つまり、その後さらにラバーグリップ等で路面の改善が進むことを考えれば、かなり良かったとも思う」と語っており、手応えは上々のようだ。

今回はエンジンの燃料流量リストリクターによる最大燃料流量が95kg/hの設定で、昨年の鈴鹿での走行時(100kg/h)から5%縮小されていることになるが、昨年の同時期の鈴鹿テストでロッテラーは1分36秒486をマークしていた。エンジン自体は進化しており、マシンのセットアップも進んでいること等を考慮して比較した場合、今年の1分37秒157は「昨年のタイムと似たようなレベルにあると言っていいんじゃないかと思う」。

ロッテラーとチームメイトの中嶋一貴はWECのスケジュールの関係で、次のSF岡山テストはともに欠場となるが、「チームは別のドライバーを起用してしっかりデータを集めてくれるだろうし、自分も岡山でのレース経験は充分にもっているからね」と、過去4年でドライバー王座とチーム王座を計3回ずつ獲得している王者トムス陣営にとって大きな不安にはならない見込みだ。ロッテラー自身は4年ぶり2度目のドライバー王座を目指す。

ラストアタック前の段階でロッテラーに0.049秒差の2番手タイムをマークしていたのが、13年王者でホンダ勢の旗手・山本尚貴(#16 TEAM 無限)。昨年はホンダ勢大苦戦だったが、今年はどうだろうか。「今回のテストだけでは分かりませんけど、戦える気配は感じています。それと、チームとしてマシンのセットアップに関しては(昨季より)かなり進んでいますし、今回、変更したことに対してマシンが反応してくれたことが良かったと思っています。もちろん、フタを開けてみないと、というところはありますが、(総合的に)去年のこの段階の感触とは天と地の差ですね」。タイトル奪還へ、こちらも期待できそうだ。

可夢偉は2周ユーズドのタイヤで最終アタックに臨むも、ロッテラー同様に赤旗で中断されてしまった。ベストは1分38秒150のままで、最終的に午後セッション6番手、2日目総合7番手。ただ、今回のテストの主眼はタイムではなく、「自分のフィーリングで(セットアップを)こうしていったらいいんじゃないか、と思ったことに対してクルマが反応してくれているので、今のところ大きな問題はないのかな、と思っています」とまずまず以上の感触を得た様子。ロッテラー、山本、そして中嶋一貴らに食い込む走りを開幕戦から期待したいところだ。

SFの次回公式合同テストは3月27~28日に岡山国際サーキットにて開催される。開幕戦の舞台は鈴鹿で、4月19日が決勝日となる。

《遠藤俊幸》

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