宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、マイクロ波無線電力伝送地上試験/実用化実証を3月7日または8日に実施すると発表した。
JAXAは、経済産業省から事業受託した宇宙システム開発利用推進機構(J-spacesystems)と連携・協力し、太陽光発電無線送受電技術(マイクロ波による高精度ビーム方向制御技術)の研究開発事業を実施している。
同事業は、宇宙太陽光発電システム(SSPS)の中核的技術である、マイクロ波による無線送受電技術の確立に向けた研究開発事業。受電アンテナ側から送電アンテナ側に対してパイロット信号を送出し、複数のフェーズドアレイアンテナ間の位相同期を行う。加えてレトロディレクティブ技術を活用し、高出力のマイクロ波ビームを受電アンテナに向けて高精度、高効率に指向制御する高精度ビーム制御技術を研究開発する。
この技術を確立することで、将来の宇宙太陽光発電システムの実現、エネルギー源の多様化に資することを目的とする。
また同事業では、高精度ビーム方向制御技術の総合試験の一環として、屋外試験を実施している。この中で、地元アマチュア無線クラブの協力を得て、無線送受電技術により送電された電力(電線無しで送られた電力)によりアマチュア無線局(JA3YBB)を運用し、国内外のアマチュア無線家と交信する実験を行う。