警察庁は2月19日、2014年の交通事故発生状況などを取りまとめ、発表した。
それによると、2014年の交通事故発生件数は前年比8.8%減の57万3842件。うち死亡事故は同6.2%減の4013件だった。
交通事故による死者数は同5.9%減の4113人、負傷者数は同9.0%減の71万1374人。死者数は14年連続の減少、交通事故発生件数および負傷者数も10年連続で減少した。
死者数は、2001年以降一貫して減少しているものの、近年は減少幅が縮小。死者数の指標となる致死率についても、2年連続して増加しており、死者数が減りにくい状況となっている。警察庁では、死者数の減少幅が縮小している背景として、「高齢者人口の増加」、「シートベルト、エアバッグ等の装着率の頭打ち」、「飲酒運転による交通事故の下げ止まり」を挙げている。
高齢者は他の年齢層に比べて致死率が6倍高く、高齢者人口も年々増加の一途をたどっている。このことが高齢者の交通事故死者数を減少しにくくさせており、近年、全体の死者数の約半数を占める高齢者の死者数が減りにくくなることにより、全体の減少幅も縮小している。
エアバッグ装着車率は2005年までにほぼ100%、ABS装着車率はほぼ98%まで上昇したが、シートベルト着用者率は、最近は90%台前半で横ばい状態にある。これまで、シートベルト着用者率、エアバッグ装着車率等の向上が自動車乗車中の死者数減少に大きく寄与していたが、これらの着用、装着がかつてに比べて伸び悩んでいることが死者数の減少幅が縮小している一因となっていると考えられる。
飲酒運転による交通事故での死亡事故率は、交通事故全体の死亡事故率に比べて高く、近年、飲酒運転による交通事故が下げ止まり傾向にあり、これが死者数の減少を阻む一つの要因になっていると考えられる。