北近畿タンゴ鉄道は「京都丹後鉄道」に…WILLER TRAINSが発表

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京都丹後鉄道が目指す「高次元交通ネットワーク」の説明をするウィラー・トレインズの村瀬社長。4月1日からの運行引継ぎを目指す。
  • 京都丹後鉄道が目指す「高次元交通ネットワーク」の説明をするウィラー・トレインズの村瀬社長。4月1日からの運行引継ぎを目指す。
  • 京都丹後鉄道のポスター。略称は「丹鉄」とする。
  • 京都丹後鉄道のポスター。略称は「丹鉄」とする。
  • 京都丹後鉄道のポスター。略称は「丹鉄」とする。

4月1日から北近畿タンゴ鉄道(KTR、京都府)の運行を担う予定のWILLER TRAINS(ウィラー・トレインズ)は1月29日、4月からの鉄道名を「京都丹後鉄道」に変更すると発表した。路線名も宮津線(西舞鶴~豊岡)を「宮舞線」と「宮豊線」の2路線に分ける。

同日、都内のウィラー・アライアンス本社で開いた会見で発表した。

KTRは京都府や福知山市、宮津市などが出資する第三セクター鉄道で、宮福線(宮津~福知山間)と宮津線の2路線を運営する。経営の悪化を受け上下分離方式による経営改善を行うことになり、運行事業者を公募。2014年5月に高速バス会社のWILLER ALLIANCE(ウィラー・アライアンス)が選ばれ、同社はKTRの運行を行う子会社としてウィラー・トレインズを設立した。

同社の社名は「WILLER TRAINS」だが、鉄道名は「京都丹後鉄道」とする。略称は「丹鉄」(たんてつ)。路線のある丹波・丹後・但馬を指す「三丹」の「丹」を用いることで、地元に愛着を持たれる鉄道を目指すという。同時に発表されたロゴはウィラーグループのピンク色を取り入れ、「丹」の文字は海をイメージしたデザインとなっている。

路線名も変更し、宮津線を西舞鶴~宮津間の「宮舞(みやまい)線」、宮津~豊岡間の「宮豊(みやとよ)線」の2路線に分ける。宮津と福知山を結ぶ宮福線と合わせ、宮津の「宮」と行先の頭文字を組み合わせた路線名とすることで「どこからどこへ」向かう路線かを分かりやすくする。また、3つの路線名に「舞」「豊」「福」と縁起の良い漢字が並ぶことから「縁起三線」と総称して今後のプロモーションに使うことも検討するという。このほか、7駅の駅名も合わせて変更することを正式に発表した。

ダイヤについては、北近畿タンゴ鉄道として運行中の3月14日に一部ダイヤ改正が行われるため、4月以降もそのダイヤを引き継ぐ。車両についてはKTRの車両を引き継ぎ、丹鉄のロゴマークを入れるという。

ウィラー・トレインズは京都丹後鉄道の運行開始にあたって「交通革新とまちづくりが連携することで、地域の価値を向上する」との構想を掲げており、鉄道を基軸とし、ストレスなく乗り継ぎのできる「高次元交通ネットワーク」の実現や、地域での若者の雇用創造、交通やまちづくりを担う人材の育成を目指すとしている。

利用者数の目標は初年度が210万人、3年目が230万人。売上については運賃収入のほか広告や物販などを合わせ、初年度12億円、3年目で13億円を目指す。

KTRは国鉄の経営悪化を受けて工事が凍結された宮福線福知山(京都府福知山市)~宮津(宮津市)間30.4kmの運営会社として1982年に設立され、1988年に開業した。当初の社名は宮福鉄道だったが、1989年に現在の社名に改称。1990年からは西舞鶴(舞鶴市)~宮津~豊岡(兵庫県豊岡市)間83.6kmを結ぶ宮津線の経営も引き継いだ。

WILLER TRAINSとKTR、沿線自治体は2014年12月26日、鉄道事業再構築実施計画の認定を申請。計画が申請通り認定された場合、KTRは鉄道施設を保有・管理する第3種鉄道事業者に移行し、WILLER TRAINSはKTRから施設を借りて列車を運行する第2種鉄道事業者となる。

社名が全てアルファベットの鉄道会社はWILLER TRAINSが初。一部にアルファベットを使用している鉄道としてはIGRいわて銀河鉄道があるが、同社は「アイジーアール」とカタカナが正式な表記のため、北陸新幹線の長野~金沢間開業に伴い北陸本線の倶利伽羅~金沢間を引き継ぐ「IRいしかわ鉄道」が初となる。

《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

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