【フォード マスタング 試乗】一皮むけて進化した操縦性、乗り心地、そして迫力…津々見友彦

試乗記 輸入車
フォード マスタング 50イヤーズエディション
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1967年に初めてタービンカーを見にインディに行ったその年、既にアメリカで大ヒットしていた『マスタング』は人気の的だった。インディのペースカーにもなっていたのだ。

その“生誕50周年記念モデル”を試乗した。350台限定の7世代目となるFMCされた新型だ。このモデルから初の右ハンドルも用意されるが、試乗車は残念ながら左ハンドル。

世界の潮流である“低燃費”のエコ志向にマスタングも対応し、ベースは5リットルV8だが、この記念モデルはダウンサイジングのエコブーストエンジン、2.3リットル直噴ターボ仕様だ。

ボディスタイリングは先代と同じホイルベースで、クーペの流麗なファストバックスタイルでより低く、広くなりダイナミックなイメージ。スティーブマックイーンのあのブリット刑事がカーチェイスした「マスタングGT300」を彷彿とさせる迫力あるスタイリングだ。

インテリアはクラシックな飛行機からイメージを受けたらしく、シルバーを基調に端正、かつ整然とデザインされている。スピードメーターには“グランドスピード”と表示されるぐらい。メーターはヨーロピアンでデザインも良い。

フロントシートの座り心地はどちらかと言えば日本車的。だがエアーランバーサポートの強力さはさすがで、ボタン一発で腰にエアが入り一瞬にして姿勢が保たれる。

エンジンは2.3リットルターボ。アイドリングストップ付で当然燃費はぐっと向上しているはず。パドルシフト6速ATとの組み合わせだが、ターボながら、ナチュラルに仕上げられ、ノーマル・アスピレーションのようにスムーズに発進してくれ、ストレスが無い。314psエンジンはドッカンターボではなく、NA的に癖がなく心地好く走る。5リットルV8並みに低速からドッドッドとトルクを出す走りは期待できないが、4000rpmから6000rpmに掛けて心地好いエンジンサウンドで伸び上がってくれる動力性能は新時代のマスタングのテイストだ。0-400m加速を15秒台で走りきる雰囲気の加速性能は侮りがたい。

ハンドリングもヨーロッパ車風にしっかりしたもの。パワステは“コンフォート”“ノーマル”、“スポーツ”“スポーツ+”と設定でき、何れも電動パワステの設定は熟成されていた。もっとも激しいウェット路面での高速コーナリングではやはり“スポーツ+”が重めで切りすぎず安心感があった。

操縦性は小さな舵角では大人しく、大きく切り込むとしっかりとターンインするセオリーのハンドリングで、ヨーロッパ車並みの安心感ある走りだ。

ナビはないが、中央部の4.2インチディスプレイにはブースト計や油圧計など表示やGメーターなどにも変化させるスポーティーなエンターテイメントを取り入れている。

255/40R19のスポーティーなアルミホイルにPZEROを履くが乗り心地はコツ、コツとはするものの意外にコンフォートだった。

迫力あるスタイリング。洗練された操縦性に、この種のスポーツカーとしては快適な乗り心地などマスタングが一皮むけて進化した。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

津々見 友彦│モータージャーナリスト
第1回日本GPに出場し、その後日産、トヨタ、いすゞのワークスドライバーとして活躍。現在は自動車雑誌、ラジオ、Car Worldなどに試乗記を書く。サーキット走りとパソコン大好き。今は自転車に凝る。

《津々見友彦》

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