サスペンションメーカーのショーワは、イタリア・ミラノで開催された国際モーターサイクルショー「EICMA 2014」(ミラノショー)に同社として初めて出展した。
新開発のフロントフォーク技術を量産化した「High Performance(高性能)」製品、将来の技術として発展させた「Innovative Technology(革新技術)」製品、市場への幅広い普及を目指した「Racing-Derived Technology(レース派生技術)」製品の3つのカテゴリーに分類して公開。ブースにおいては、二輪サスペンション開発部の森下功氏から、技術説明を受けることができた。
高性能技術として紹介された『バランスフリー・フロントフォーク』は、伸側と圧側の減衰力発生を、シリンダ内のバルブ上下の圧力変動に依存するのではなく、圧力変動を発生させない油圧回路とバルブ機構をシリンダーの外側に配置するというもの。オイルの圧縮性などの影響を受けず、応答性の高い減衰力発生を実現している。
また『BFRC-lite』は、バランスフリー技術をリアショックユニットに展開した製品で、200gもの軽量化も実現している。
そして、革新技術となる『デュアルベンディングバルブ・フロントフォーク』は、一般的なフリーバルブ構造では圧側減衰力発生に限界があることに対処したもので、バルブの上下動を輪状バネ板によって制御、バルブシートとのクリアランスによって、伸圧減衰力を発生するというもの。理想的な比例型特性を得られ、カートリッジ並みの性能を簡素な構造で達成。低価格化でき、カートリッジ式よりも1台当たり250g軽量だという。
レース派生技術となる『SFF(セパレートファンクション・フロントフォーク)』は、減衰力発生機能に加え、タイプによってはバネ反力機能をも片側に集約し、コスト低減を狙った構造である。