BASFは、ドイツに次いで2番目となる「デザインファブリーク東京」を同社横浜イノベーションセンター内に設立した。
BASFジャパンオートモーティブ日本デザインファブリーク東京エグゼクティブエキスパートの田中井俊史氏は、「我々の位置づけは、工業デザイナーやエンジニアと、我々のお客様である、最終製品を生産するメーカーの間を取り持つ触媒のようなものだ」と話す。
その中でデザインファブリーク東京は、「素材とデザインに関わるようなアイディアを提供するデザインプラットフォームという役割がひとつ。もうひとつは、我々は素材メーカーなので、素材のことはよくわかっている。そこで、その素材に関するノウハウを提供する場だ」という。
また、「デザイナーやエンジニアと我々の顧客であるメーカーとが素材で結び付く、マッチングプレイスの場。ここにきて素材を見てもらうことで、うまくつなげる役割ができたら嬉しい」と田中井さん。
そして、「素材ライブラリーを通じて実際に見て触って、そこからイマジネーションを膨らませて、新しい用途開発につなげるという役割を担っていきたいと思っている」と述べる。
デザインファブリーク東京のターゲットは自動車産業だ。「BASFはこれまでも自動車の機能的価値は提供している。この機能的価値とは数値で測れるもの。例えば、動力源や、軽量化の提案、騒音や振動対策などだ。そこに加えて、デザインファブリーク東京は、意味的価値を提供する」。田中井さんは、「クルマは“総合芸術作品”だと思っているので、その中でも造形や色、素材、仕上げ、触感、香りを含めた数値では測れない意味的価値の提案を通じて、価値創造をしていきたい」と語った。