メルセデス・ベンツ日本が発表した『Sクラスクーペ』のエクステリアは、高級感を出すために様々な工夫が凝らされている。
ダイムラー社乗用車エクステリアデザイン統括のロバート・レズニック氏によると、「サイドから見たときに、Aピラーの付け根からフロントストラットまでの距離(“プレステージャスメジャーメント”という)が長くなるほど、高級感が感じられるのだ」と話し、Sクラスクーペではこの長さを出来るだけ長く取られた。
また、「キャビンやクリーンハウス(の重心)を全体的に少し後ろにし、ガラスエリアを少し小さくした。また、ベルトラインを高めて、ルーフを少し低めることで、後輪駆動らしさを強調している」という。「もちろん座ってみると頭の上のクリアランスは十分に確保できている」と述べる。
そして、「フロントボンネットのラインやパワードームなどは、『300SL』のイメージだ」とレズニック氏。
サイドにはドロッピングラインというメルセデスベンツの特徴的なキャラクターラインが入っている。このラインは、後ろに行くにしたがって下がっていく。その理由は「5mを超える長いクルマなので、このラインがないと重く見えてしまうと同時に、入れることで、スリークでスポーティな印象を与えている」と説明。
リアのナンバープレートの位置がこれまでのリアコンビランプの間から、バンパー下になった。メルセデスではあまり採用されなかったものだが、「スポーティなクルマとセダンとを区別するためのもの。今後、スポーティなクルマのナンバープレートの位置はバンパー下に組み込んでいく」とデザインの傾向を語った。