トヨタ生産方式をいかに販売現場に持ち込むか…“改善魂”第2章、TSL自主合同研修会をバンコクで開催

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10月7日、トヨタ自動車の流通情報改善部の主催による「TSL(トヨタ・セールス・ロジスティクス)自主合同研修会」がタイ・バンコクで開催された。本合同研修会は、2013年秋に実施された広州に続く第2回目の開催となる。

TSLは、トヨタ生産方式(TPS)のノウハウを販売店物流の現場にも導入することを目的として始まった活動。現社長の豊田章男氏が業務改善室を1996年に立ち上げたことに由来する。以来、日本国内外の販売・物流の現場にTPSの考えを植え付ける活動と改善の取り組みをおこなってきた。その1つの成果として実を結んだのが、2004年にタイトヨタ(TMT)を皮切りに導入が始まったフロントラインの「e-CRB(「Evolutionaly Customer Relationship Building)」と、それを裏支えするバックヤードの物流改善だ。

e-CRBは顧客との総合的なリレーションを管理するCRM(Customer Relationship Management)の役目を持つだけでなく、接客時の最適なフォローをサポートするツールとして進化。またバックヤードの改善は、納車までのリードタイム短縮とRFIDなどを活用した効率的な車両管理という新車物流改善へと発展を遂げた。またサービス面でもこの考え方を取り入れ、車検整備などでテクニシャンが使うシステム台車の改良やAGV(自動搬送車)を利用することなどによるストール生産性の向上に結実している。

今回の研修会テーマは「原点に返る」。研修会冒頭に挨拶に立った小平信因副社長は、「タイはe-CRBの原点であり、バンコクでの自主研は原点に返るにふさわしい会になる」と述べ、次のように今回の合同研修会の意義を次のように語った。

「5月に発表した連結決算は過去最高益を実績をのこしたが、短期的な数字に一喜一憂することなく関係者が一丸となっていくことが重要。1000万台という販売台数は単なる数字にとどまらない。ここから更に伸ばすというのはどの起業がやったのことのない未知の世界だ。決算発表時、豊田(章男)社長はこれからの持続可能な成長のために“意思を持った踊り場”と説明した。一定期間、踊り場を意図的に設けて人材の育成、良いクルマづくりのために経営資源を効率的かつ集中的に投下していく」。

「カイゼン活動を通じて人びとが鍛錬され育っていくこれこそトヨタの原点。タブレットなどのITを迅速に取り入れて、質の良いサービスを実現するためにオペレーションをおこなう。そうした活動がお客様の期待を超えるサービスに繋がるものと思う」(小平副社長)。

合同研修会では、国内外の販売物流改善の取り組みと成果として、以下の4つの具体的な事例が発表された。

1. TMT(タイトヨタ) 次世代e-CRB導入の背景と進め方(TMT)
2. 真の競争力のある販売店オペレーションへの変革(タイ トヨタサミット店(販売店))
3. 次世代e-CRBの深化(GTMC:広汽トヨタ)
4. 新車物流改善の深化と次世代T-DISの開発(名古屋トヨペット)

事例発表後に講評した友山茂樹常務役員は、「実際に仕事をするのは情報システムでもなくロボットでもなく、人間そのもの。どんなに高度な情報システムを持っても、そこで働く人びとの考えや行動を変えなければ意味がない」と人材育成の重要性を強調。

さらに友山氏は、「現場と経営が一体となったTSL活動の原点は現場を変革すること。改善後は改善前の始まり。10年先、20年先に向けた“意思ある踊り場”で現場カイゼンの活動を続けて行きたい」と締めくくった。
《北島友和》

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