航空機市場、今後20年間で3万1400機の新規需要…エアバス予測

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  • エアバス、航空機市場予測(2014年-2033年)「グローバル・マーケット・フォーカスト(GMF)」を発表

エアバスは、最新の航空機市場予測(2014年-2033年)「グローバル・マーケット・フォーカスト(GMF)」を発表した。

それによると今後20年間で航空輸送量は年間4.7%ずつ増加し、3万1400機の新造旅客機(100座席以上)と貨物機の需要を見込む。金額ベースでは4兆6000億米ドルになる。現在、世界中で運航されている1万8500機の航空機が2033年までに1万9000機増加して3万7500機となるとともに、1万2400機の経年機が退役する見通し。

航空機需要の重要な影響としてアジアの中産階級層が2033年までに4倍に増加することが予測される。同時に、大都市への人口集中と富の集中が進む結果、世界の航空大都市(長距離国際線の旅客数1日1万人以上の都市)の数が倍増して91都市に増加する見込み。これらの都市は世界のGDPの35%を占め、世界の長距離航空輸送の95%以上がそれら大都市間を結ぶか経由することを予測する。

先進国では、国際航空輸送が最速で成長する見通し。中南米、アフリカ、アジア太平洋の新興国では、地域路線と国内線の航空輸送が急速に成長する見込み。空の旅がより身近なものとなり、新たな輸送需要が喚起されることによって、インドの国内輸送は最速のペースで成長し、2033年までに上位10以内の最大市場の一つになると見ている。

広胴型機市場では、長距離路線と、増加する地域、国内路線用の幅広い航空機において機体サイズが大きくなる傾向が続くことを見込む。エアバスでは、今後20年間で約9300機の広胴型旅客機、貨物機が必要になると予測する。金額ベースで約2兆5000億ドル。新造航空機の引き渡し総数の30%占め、金額で55%を占める。

広胴型機需要のうち250~400席を装備する2通路型機が約7800機、400席以上の超大型機が1500機とされる。平均成長率を上回り、都市への人口集中の結果、広胴型新造旅客機の約半数がアジア太平洋地域の航空会社に引き渡される見通し。次いで中東、欧州、北米と続く。

エアバスでは200~500席を装備するA330、A350、A380といった製品を幅広く取り揃えており、広胴型機市場で高いシェアの獲得を目指す。

単通路型機市場では、今後20年間で2万2000機以上の単通路型新造旅客機の需要があると予想する。金額ベースで2兆1000億米ドルで、前回の予測から2000機増加し、新造機需要の全体の70%、金額では45%を占める。

単通路型機は、欧州や北米などの市場で高い需要が見込まれ、欧州では引き渡しの約22%、北米では21%を占める。高い成長が見込まれるのがアジアで、主に中国とインドの国内市場、東南アジアの低コスト航空市場が牽引、引き渡し機数全体の約37%をアジア太平洋地域が占めると予測する。

「グローバル・マーケット・フォーカスト」は、世界の航空輸送の発展を調査している。約800社の旅客航空会社と200社の貨物航空会社が保有する航空機群を分析し、200以上の特定の旅客・貨物輸送の推移や各航空会社の年度ごとの機材展開を予測している。

《レスポンス編集部》

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