鉄道の災害運休区間は3km増…9月末

鉄道 企業動向

9月末時点の災害運休区間。総距離は8月末に比べ約3km増えた。
  • 9月末時点の災害運休区間。総距離は8月末に比べ約3km増えた。
  • 大井川鐵道井川線の終点・井川駅。同駅を含む接岨峡温泉~井川間が土砂崩れの影響により不通となっている。
  • 長島ダム駅で発車を待つ井川線の列車。当面は同駅を含む千頭~接岨峡温泉間のみの運行となる。全区間の再開までには相当な時間がかかる模様。
自然災害による鉄道路線の運休区間は、9月末時点で4社10線11区間。合計距離は8月末より3.2km増えて307.2kmになった。

広島の大規模土砂災害で不通となった可部線が再開した一方、大井川鐵道井川線が土砂崩れの影響で一部区間が不通となった。

■JR東日本 山田線 宮古~釜石(岩手県) 55.4km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。代行輸送は行われていないが、岩手県北バスと岩手県交通の路線バスによる振替輸送が行われている。

当初はバス高速輸送システム(BRT)の導入による再開が考えられたが、鉄道による早期再開を求める沿線自治体が難色を示していた。JR東日本は今年1月、三陸鉄道への運行移管案を提示。同社が線路施設を復旧した上で列車の運行は三陸鉄道に移管し、さらに10年分の赤字額に相当する支援も打ち出した。

岩手県や沿線の自治体は8月、移管案を「有力な選択肢」と位置づけて意思統一を図っており、今後は赤字補てんの拡充などを中心に協議が進められるとみられる。

■JR東日本 大船渡線 気仙沼~盛(宮城・岩手県) 43.7km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2013年3月から鉄道復旧までの暫定策としてBRTを導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を整備した。

現在のBRT運行区間は気仙沼~盛間(長部経由)と鹿折唐桑~上鹿折間、陸前矢作~陸前高田間。このうち竹駒駅付近0.5kmと小友駅付近~大船渡~盛間13.2kmに専用道が整備された。ただし大船渡駅付近は土地区画整理事業に伴い、8月5日から一般道経由に変更されている。8月18日からは気仙沼~鹿折唐桑間の専用道化工事に着手した。

■JR東日本 気仙沼線 柳津~気仙沼(宮城県) 55.3km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2012年8月から鉄道復旧までの暫定策としてBRTを導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を整備した。

バスは気仙沼線の不通区間と同じ柳津~気仙沼間で運行されており、陸前戸倉~志津川間のうち陸前戸倉寄りの3.5km、志津川~清水浜間の中間部3.8km、歌津~陸前小泉間のうち陸前小泉寄りを除く5.1km、本吉~小金沢間のうち本吉寄りの2.0km、陸前階上~最知間とその前後の5.0km、不動の沢~気仙沼間3.3kmは専用道を走行する。ただし志津川~清水浜間は早朝や夜間の一部を除いて専用道を通らず、一般道区間に設置したベイサイドアリーナ駅を経由する。

■JR東日本 石巻線 浦宿~女川(宮城県) 2.5km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2015年春の再開を目指す。終点の女川駅は内陸側に移設する。

■JR東日本 仙石線 高城町~陸前小野(宮城県) 11.7km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。津波対策としてルートを内陸側に移設する工事が現在進められており、2015年6月までに再開する予定となっている。

また、東北本線塩釜~松島間と仙石線松島海岸~高城町間の線路が隣接する部分に新しい接続線(仙石線・東北本線接続線)を整備する計画があり、高城町~陸前小野間の再開と同時に開業する予定。これにより、仙台~石巻間を東北本線~接続線~石巻線経由で結ぶ列車が「仙石東北ライン」の愛称で運行される。

■JR東日本 常磐線 竜田~原ノ町(福島県) 46.0km
2011年3月に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所事故の影響で運休中。途中の夜ノ森・大野・双葉各駅は帰還困難区域内で、被害調査も実質不可能な状態が続いている。これに対して富岡・浪江・桃内・磐城太田各駅は避難指示解除準備区域に移行している。バスによる代行輸送や振替輸送は行われていないが、並行する国道6号は9月15日、自動車で通過する場合に限定して通行規制が解除された。

■JR東日本 常磐線 相馬~浜吉田(福島・宮城県) 22.6km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。ルートを内陸側に移設した上で2017年春にも再開する予定。今年5月から線路の工事に着手している。

■JR東日本 只見線 会津川口~只見(福島県) 27.6km
2011年7月の豪雨で橋桁が流失するなどの被害。この区間はもともと利用者が極度に少なく、JR東日本は今年10月以降、復旧の可否を判断する意向を示している。福島県と沿線自治体はJR東日本に対し、復旧工事費の約4分の1を負担する提案を行っている。

■大井川鐵道 井川線 接岨峡温泉~井川(静岡県) 10.0km
8月から続く大雨の影響で土砂崩れが発生し、9月2日から末端側の接岨峡温泉~井川間のみ運行を見合わせている。復旧には相当な時間がかかる模様。

■JR東海 名松線 家城~伊勢奥津(三重県) 17.7km
2009年10月の台風18号により橋台の流失や土砂の流入などが発生。JR東海は当初、鉄道を廃止する方針を打ち出していたが、関係自治体が鉄道施設周辺の治山事業などを実施することを条件に復旧の方針に転換した。2015年度内の再開が予定されている。

■信楽高原鐵道 信楽線 貴生川~信楽(滋賀県) 14.7km
2013年9月の台風18号による大雨で橋桁が一部流失し、全区間運休中。一時は廃止の可能性も取りざたされていたが、滋賀県の支援や国の補助により復旧が決まった。復旧工事は順調に進んでおり、11月29日に再開する予定。

◎(再開)JR西日本 可部線 緑井~可部(広島県) 6.7km
8月19日深夜から20日未明にかけ、局地的な豪雨による大規模な土砂災害が発生。可部線も土砂流入や線路冠水、法面(のりめん)崩壊など被害を受けた。9月1日の初発から再開している。
《草町義和》

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