ボルボ新世代パワートレイン Drive-E、その開発経緯

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ボルボ・V60 T5 R-DESIGN
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2010年にフォードグループを離れ中国の吉利汽車傘下に入ったボルボ。フォードから離脱した際、フォード製エンジンを搭載していたモデルに関し、そのままエンジンを購入し続けるのか、それともエンジンの自社開発に踏み切るのか。ボルボが下した決定は、自社開発だった。

ボルボで新規開発したエンジンには、アイシンAWとの共同開発になる新しい8速オートマチックトランスミッションが組み合わされ、新パワートレイン“Drive-E”と呼ばれる。

「このEには3つの意味がある」と語るのは、ボルボ・カー・ジャパン コーポレート・コミュニケーション部の相良賢一さんの弁。「Efficient power、Electrification、Environmentだ。パワフルで低燃費。将来的にハイブリッドシステムへの対応も可能なように、モーターなどの取り付けを考慮。補器類が邪魔にならないように設計されている」と話す。

その開発の歴史は2007年にまでさかのぼる。「開発開始後、2008年ごろに4気筒2リットルエンジンという仕様を決定。このアーキテクチャに過給器を付け、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンを作りわけることになった」と相良さん。

それまでボルボは、フォードとのアライアンスから、フォード製4気筒2リットルエコブーストエンジンを購入していた。「その開発プロジェクトにもボルボは参加、要望を出したうえで、そのエンジンを購入していた。しかし、自社にとって一番いいパワートレインは何なのかは常に考え、開発は行っていた」と話す。

あえて自社開発を選んだ背景について相良さんは、「ボルボはショブデ工場でエンジンを作っているが、ここはマリンのペンタエンジンを作っているところだ。船の場合は、そのサイズに合わせてエンジンを作ることがあり、ボルボはエンジンを作ることに対してそれほど苦もなく開発する文化があったからだ」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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