ホンダは9月18日、同社独自の「高圧水電解システム」を採用したパッケージ型の「スマート水素ステーション」を、さいたま市東部環境センター(同市)に設置した。
岩谷産業と共同で開発したもので、同日から実証実験に着手した。高圧の水素タンクから充てんノズルまでの主要部位を箱形のパッケージにした世界でも初めての水素ステーションとしている。水を電気分解して自力で水素を作る。高圧水電解システムにより、コンプレッサーが不要なため、コンパクトにできる。
水素の生産能力は日量1.5kgで、供給圧力は350気圧。年間換算の生産量はセダンタイプの燃料電池車1台が5万km走行できる規模という。設置スペースは8平方mくらいと極めて小さく、工期も1日ですむ。
今回設置した東部環境センターでは、ゴミ発電による電力を使用しており、各種の再生エネルギーによる水素生産も可能だ。設置セレモニーに出席した本田技術研究所の山本芳春社長は、「コンパクトなこのステーションは、燃料電池車の普及に大変重要な役目を担う。今後、各地でエネルギーの地産地消を可能とするシステムでもある」と述べ、水素社会に向けたステーションの普及に意欲を示した。