ただ、1周目にはかなりの順位変動があった。最大の波乱はポールの山本尚貴(#1 TEAM 無限/エンジンはホンダ)が好ダッシュ成らず、1周終了時点で7番手まで後退したことだが、1コーナーでは予選2位の国本雄資(#39 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)と同3位ロッテラー(#36 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が先陣を争うかたちに。ここでイン側にいた国本は「路面がバンピーで、少し挙動を乱してしまった」、そこを「アウトから行った」ロッテラーが先んじて、奪首を果たす。「こういうタイプ(ノーピット)のレースだから、ターン1までにできるだけ前に行くしかない。そこに最大限の集中をしていった」というロッテラーが、やはり「スタートしか勝つチャンスはない」との思いで臨んだ国本の鼻先を制し、主導権を握ったのである。
前述したように、トップ10の順位はそのまま決着。ロッテラーが最終的には約13秒差の逃げ切り圧勝で今季2勝目を達成し、2位は国本、3位には予選9位だったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)が入った。ホンダ勢では塚越広大(#10 HP REAL RACING)が最上位の4位となり、山本は7位。5~6位はジェームス・ロシター(#3 KONDO RACING/トヨタ)と中嶋一貴(#37 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)だった。入賞圏ラストの8位は石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)。